白鵬、懸賞1本だけ…連勝もやはり寂しい無観客 非常事態も「一日一日良くなれば」

2020年03月10日 05:30

相撲

白鵬、懸賞1本だけ…連勝もやはり寂しい無観客 非常事態も「一日一日良くなれば」
大栄翔をすくいなげで破る白鵬(撮影・井垣 忠夫) Photo By スポニチ
 【大相撲春場所2日目 ( 2020年3月9日    エディオンアリーナ大阪 )】 新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐため、無観客での本場所開催に注目が集まる中、休場明けの横綱・白鵬が、平幕の大栄翔をすくい投げで下し初日から連勝と第一人者の貫禄を見せた。もう一人の横綱・鶴竜は小結の北勝富士に送り倒しで敗れ、早くもつまずいた。大関・貴景勝も黒星を喫し波乱の序盤となった。
 内容より結果にこだわった。白鵬は平幕の大栄翔を相手に、批判の多い立ち合いの張り手をちゅうちょなく繰り出し先手を取った。素早く右を差してもろ差しになると、一気に土俵際まで押し込み土俵にねじ伏せた。

 「昨日より内容は良かったですね。15日間は長いわけですから、一日一日良くなればという感じです」。異例の無観客開催のあおりを受けこの日、自身の取組に懸かった懸賞はわずか1本。10年に歴代最多の年間2111本を手にし、15年初場所では一場所最多となる545本を獲得。4日目から休場した先場所でさえ、33本の懸賞を受け取っていたのだからまさに非常事態だ。場所前には「こういう状況で、懸けてくれるところがあるのは素晴らしい」と話していたが、取り巻く環境の厳しさは想定以上だった。だが、状況が難しくなればなるほど勝負師のハートは熱くなる。野球賭博に揺れた10年名古屋場所、八百長問題で本場所が技量審査場所となった11年夏場所のいずれも優勝し、第一人者の責任を果たした。

 歓声も座布団も飛ばない館内の様子に「本当に昨日は不思議な感じがしました」と話す一方で「改めて相撲の良さを皆さんに見てもらいたい」と決意を口にする。苦しい時こそ先頭に立って周りを引っ張っていく。それが横綱の務めだと自覚している。

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