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荒磯親方、独りぼっちの入学式「みんなに追いつけるように」 早大大学院スポーツ科学研究科修士課程

2020年04月02日 05:30

相撲

荒磯親方、独りぼっちの入学式「みんなに追いつけるように」 早大大学院スポーツ科学研究科修士課程
早大大学院に入学した荒磯親方(右)と指導にあたる平田竹男教授は大隈記念講堂を背に記念撮影 Photo By スポニチ
 昨年10月に早大大学院スポーツ科学研究科の修士課程1年制に合格した大相撲の元横綱で本紙評論家の荒磯親方(33=田子ノ浦部屋)が1日、東京都新宿区の早大早稲田キャンパスで、たった一人の入学式に臨んだ。新型コロナウイルスの感染拡大の影響により全体の入学式は中止。指導を受ける平田竹男教授(60)の元を訪れ、個別の入学式となった。入学式後は早速、大学院生として“初授業”に参加した。
 本来なら多くの新入生でにぎわうはずだったキャンパスで、荒磯親方がたった一人の入学式に参加した。合格した早大大学院スポーツ科学研究科の修士課程1年制は実務経験者が対象で、ほとんどが社会人。所属する平田ゼミでは全体の入学式が予定されていたこの日、昼夜でゼミ単位の入学式を実施したが、昼に参加できたのは荒磯親方だけだった。新型コロナウイルスの感染拡大により、大学院生としての第一歩は寂しい形になったが、大隈記念講堂を背にスーツ姿で記念写真に納まると「一生懸命やるだけ。みんなに追いつけるように頑張りたい」と抱負を語った。

 大学院ではスポーツマネジメントや育成方法などを研究していく。中卒で角界入りしたため“飛び級”での大学院進学。部屋付き親方としての弟子の指導や日本相撲協会の業務の合間を縫って大学院に足を運ぶことになる。指導に当たる平田教授は「自分でデータを集めて分析し、論文にするのを1年でやっていくことになる。相撲というものを極めるにあたってつくり上げてきた世界があるので、学問につながるコツができ始めたら早い。そこまでが大変」と見ている。早大は5月上旬まで授業が行われないが、本場所開催中は大学院に通えないため、入学式後は早速、パワーポイントを使った授業を受けた。

 将来的には独立して部屋を持つことを視野に入れており、大学院での研究を「令和に適した相撲部屋の構築に反映させていきたい」と考えている。平田教授は「いろんな壁がありますが、それを乗り越えて、今まで知らなかった世界、自分が目指したところにたどり着いてもらえれば。サイエンスを味方につけた相撲部屋を自分なりにつかんでいただければ、新しい相撲部屋の在り方になると思います」と期待した。

 ▽早大大学院スポーツ科学研究科 06年4月に創設。修士課程1年制は実務経験、卓越した技能を有する人材を対象とすることから、大学院での集中した教育を通して高度な知識を身につけさせ、各人の専門職者として活躍の舞台をさらに広げることを目的としている。トップスポーツマネジメント、スポーツクラブマネジメントなど6コースからなる。内閣官房オリンピック・パラリンピック東京大会推進本部事務局長も務める平田竹男教授のゼミでは元プロ野球選手の桑田真澄氏、元テニスプレーヤーの伊達公子さんら多くのアスリートが学んだ。

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