レジェンズ馬場 東京からNBAへ飛躍「重要なのは自分が何をしているか」
2020年04月02日 05:30
バスケット
「僕が帰ってきた翌日に米国からの入国者に規制がかかった。ギリギリでしたね。(生活拠点を置く)ダラスはほとんど人が歩いていない状況で、スーパーで商品の買い占めも起きていた。NBAが再開しないと、来季のGリーグはどうなるか分からない。今は全てが不透明ですね」
18~19年シーズンまで所属したA東京も活動していないため、現在はボールを触る練習ができない。
「帰国後は体幹トレーニングなど家でできる練習をしている。レジェンズからは毎日、体調確認の連絡が来て、手洗い、うがいなど基本的なことをするように言われる。日本では当たり前のことでも米国では徹底できていない部分もあるから」
帰国直後に東京五輪の延期を知った。日本代表の主力として昨夏のW杯中国大会で5戦全敗。その雪辱の舞台と位置付けていただけに戸惑ったが、時間の経過とともに心の整理はついてきた。
「最初は整理できなかったけど、今はより成長した姿を見せられるとポジティブに考えている。もちろんNBAの舞台を経験してから五輪に出場したいという思いもある。でも重要なのは自分がどこにいるかではなく、何をしているか。あまり意識せずに、やれることを全力でやりたい」
昨夏にNBAマーベリックスの一員としてサマーリーグに挑戦。プレシーズン後の10月に傘下のレジェンズと契約した。開幕直後はほとんど出場機会を得られなかったが、シーズンの経過とともにプレータイムは増加。41試合出場(先発5試合)で、1試合平均は19分36秒、6・3得点、2・5リバウンド、1・3アシスト、1スチールを記録した。
「ディフェンスを徹底する部分は周りの米国人選手よりもやれたと思う。そこをコーチから信頼してもらえたことは自信になった。課題はフィニッシュのバリエーション。日本と違い、相手は殺す気でボールを奪いにくるので、ブロックに対してうまく体をぶつけてファウルをもらうことなどが必要になる。その点で自分はまだまだボディーバランスが良くないと感じた」
コロナ禍により中途半端な形でシーズンを終えることになったが、収穫は大きかった。米国2年目の来季は勝負の年。21年7月の東京五輪もキャリアアップの重要なステップと考えている。
「今シーズンで得たものは大きかった。今はまだ米国のバスケ、文化を知っただけの段階。2年目にチームでどういう役割を担うか、そこでどれだけ活躍できるかがポイントになる。東京五輪は一つの目標ではあるが、そこが終わりではない。結果を出せばその先の未来が変わると思うので、チームの勝利はもちろん、2年間米国で培った個人のプレーも意識したいという気持ちがある。まだまだ経験しないといけないことは多いが、将来的にNBAに行ける自信はある」
◆馬場 雄大(ばば・ゆうだい)1995年(平7)11月7日生まれ、富山県出身の24歳。富山第一高を経て筑波大在学中の17年にA東京入り。同年の東アジア選手権で日本代表デビューを果たした。19年夏のNBAサマーリーグにマーベリックスの一員として出場。同10月に傘下のGリーグ・レジェンズと契約した。父・敏春氏もバスケの元日本代表選手。右利き。1メートル98、90キロ、足のサイズは30・5センチ。血液型はAB。