【羽生結弦の1年 GPファイナル】「めちゃくちゃ悔しい。今に見ておけ、と思っている」
2020年04月05日 05:30
フィギュアスケート
◆GPファイナル(19年12月5日~8日 イタリア・トリノ)
「めちゃくちゃ悔しい。今に見ておけ、と思っている」
「やっぱ、ここで何か爪痕を残したい」
少年時代にテレビにかぶりついて見た06年トリノ五輪。尊敬するプルシェンコ(ロシア)が金メダルを獲得した会場パラベラが、チェンと雌雄を決する舞台となった。フリーの行われた12月7日は25歳の誕生日。闘志は高まっていた。
しかし、アクシデントが起こる。同行するはずのジスラン・ブリアン・コーチがパスポート盗難にあい、到着が遅れた。1人での調整を余儀なくされ、SPは終盤の連続トーループが4回転の単発となり、チェンとは12・95点の大差がついた。同コーチ合流後のフリーでは、解禁した大技ルッツを含む4回転4種5本を初成功させたが、その差を埋められなかった。
チェンに敗れたが、今後の飛躍の伏線となる一幕があった。フリー前日の公式練習で、前人未到の4回転半に挑んだ。試合会場で初披露された3度のジャンプは全て転倒だったが、果敢なチャレンジに自然と拍手がわき起こった。挑戦こそ人生。羽生は再び立ち上がった。