藤田寛之の“急がば回れ!”上達講座【第5回 ユーティリティーの打ち方】

2020年05月01日 12:00

ゴルフ

藤田寛之の“急がば回れ!”上達講座【第5回 ユーティリティーの打ち方】
UTの打ち方について解説する藤田寛之プロ Photo By スポニチ
 今回のテーマはユーティリティー(UT)の打ち方についてです。アイアンと比べてボールが上がりやすく、飛距離が出るクラブですが、そのメリットを生かし切れていない人も少なくありません。藤田寛之プロによれば、スイング的に上手く打てない理由が2つ考えられると言います。それらの欠点を解消し、得意クラブに変えてしまいましょう。ティーチングプロのジミー常住氏が藤田流のコツを聞きました。
 常住 UTで打つと、ボールが上がらないという人がいます。何が原因なのでしょう。

 藤田 ボールが上がらない人は2タイプに分かれます。1つが、ダウンスイングの際、上体が目標方向に突っ込んでしまい、鋭角的にクラブヘッドを下ろすタイプです。これだとロフトが立った状態でインパクトを迎えるため、ボールが上がることはありません。

 もう1つが、ボールを上げようとして、右足に体重が残ったままクラブを下ろしてくるタイプです。これだと下からしゃくり上げるような打ち方になるので、ボールの頭を叩きがちです。その結果、オーバースピンがかかり、ボールが下に落ちることが多くなります。

 常住 それぞれの対処法を教えて下さい。

 藤田 まず、上から鋭角的に打ち込むタイプですが、上体だけでなく、体全体が目標方向へ突っ込んでいるのを修正しましょう。そのために、ダウンスイングからインパクト、フォロースルーにかけて、頭の位置を変えないこと、右足をベタ足状態にしておくことです。できれば、ヘッドが左腰の高さにくるぐらいまで我慢して下さい。そうすることで、インパクトではロフトどおりに当たるようになるので、ボールが高く上がります。

 常住 ポイントは頭と右足ですね。

 藤田 次に、しゃくり上げるタイプですが、右足に体重を残したままインパクトを迎えるため、フォロースルーでは、おヘソが上を向いた状態でお腹が前に出てしまいます。ダウンスイングでは左足に体重を乗せていくと同時に、お腹が前に出ないように腰を水平に回転しましょう。ヘソが上を向かないように我慢することで、水平に回転できます。その結果、ロフトどおりにインパクトを迎えられるだけでなく、スピン量も適正になるので、ボールが高く上がります。

 常住 アベレージゴルファーにはどちらのタイプが多いんですか?

 藤田 ボールを自分で上げようとするしゃくり打ちタイプが多いですね。これは他のクラブにも言えることですが、ボールを高く上げるのはクラブのロフトであり、自分で上げようとするのは厳禁です。

 常住 ということは、UTもダウンブロー気味に打ったほうがいいのでしょうか?

 藤田 クラブとしてはウッドよりもアイアンに近いイメージなので、軽いダウンブローで打つのが正解です。したがって、アドレスでも両手がボールよりも少し目標寄りにあるハンドファーストに構えます。ただし、ダウンブローを意識し過ぎると、上体が目標方向に突っ込みやすいので、ボールの先にある芝を薄く取るぐらいのイメージを持てば十分です。(取材協力=千葉・きみさらずゴルフリンクス)

 ◇藤田 寛之(ふじた・ひろゆき)1969年(昭44)6月16日生まれの50歳。福岡県出身。15歳でゴルフを始め専修大を経て92年プロ入り。97年サントリーオープンでツアー初V。12年には年間4勝をマークし賞金王に輝く。20代は1勝だったが、30代で5勝、40代で12勝と年齢を重ねるごとにプレーヤーとしての凄みを増している。昨年は優勝こそなかったものの、賞金ランク18位で23年連続賞金シードを獲得。1メートル68、70キロ。

 ◇ジミー・常住=本名・常住治臣(つねずみ・はるおみ)1981年(昭56)12月15日生まれの38歳。東京都出身。5歳でゴルフを始め米マーセッド・カレッジ留学を経て、12年日本プロゴルフ協会(PGA)の指導者ライセンスを取得。1メートル70、70キロ。

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