角界悲痛!夏場所も10月秋巡業も中止 芝田山広報部長「何もかもがむしばまれる」
2020年05月05日 05:30
相撲
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八角理事長(元横綱・北勝海)は「ファンの皆さまならびに関係者の皆さまの健康と安全を確保するため、5月場所の開催中止を決定いたしました」とコメント。芝田山広報部長(元横綱・大乃国)は電話取材に「この社会で40年以上やっていて、人生の中でもこんなことが起きるとは思ってもみなかった。病気が蔓延(まんえん)することで、何もかもがむしばまれる状況になる」と新型コロナウイルスの脅威を口にした。
さらに、7月にも影響が及んだ。終息の気配が見えない中、2週間延期した名古屋場所を通常開催できるかどうかは不透明。さらに、力士ら約900人の移動や、約1カ月の長期滞在により、感染のリスクは高まる。それらを踏まえ、会場を両国国技館に変更し、無観客開催を目指すことも決めた。1958年に始まった7月の本場所が名古屋で開催されないのは初めて。3月の春場所は史上初の無観客で実施しており、3場所連続で通常開催ができなくなった。
力士への影響も計り知れない。春場所で大関昇進を決めた朝乃山にとって、協会の看板力士として土俵に上がるのが夏場所だったが、それが2カ月以上先送りとなった。「7月場所に向けて一日一日を大事に、今できることを続けていきます」と気丈に話した。
9月の秋場所後に予定していた10月の秋巡業も中止となった。八角理事長は「開催できるかめどが立たない中で準備を進めさせていただくことは、主催者である勧進元さまに多大なるご迷惑となる」と説明。4月の春巡業は中止で、8月の夏巡業は東京五輪・パラリンピックを見据えて開催しないことになっていた。秋巡業の中止で、今年残るは12月の冬巡業のみとなった。
相撲協会では、高田川親方(元関脇・安芸乃島)や弟子の十両・白鷹山、幕下以下5人の計7人の感染が発表されている。6人は退院したが、集団生活の難しさは残る。本場所や巡業の通常開催へ、極めて厳しい道のりが待っている。
▽過去の本場所中止 過去に2度、例がある。1946年(昭21)夏場所は空襲で被災した国技館の修理工事が遅れたため中止。2011年(平23)春場所は、同年2月に発覚した八百長問題の実態解明などを優先させるため、開催を断念した。
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