笹生優花 2戦連続優勝 藍&奈紗以来の10代快進撃 生涯獲得賞金5000万円突破も最速
2020年08月31日 05:30
ゴルフ
「凄くうれしいです。雨の中、無事に終われて良かったなと。宮里さんと畑岡さんがやったことを、自分もやったんだなとビックリしました」
未明から雨が降り続き、スタート時間が3時間30分遅れた。ツアー史上初のセカンドカットが行われる波乱含みの最終日。スタートまでクラブハウスを「ぶらぶらしてました」。約5時間後のスタートは2番で木に当て池に入れてダブルボギーを叩き、いきなり首位の座を明け渡したが「あ、もうリーダーじゃないや。ゴルフなんでダボることもあるし、次のホールで頑張ろうって」と開き直り。19歳とは思えない、メンタルの強さを見せた。
持ち味は飛距離。だが、その1Wがこの日は不調だった。雨に加えて、予選2日間より10度以上低い気温16度。スイングリズムに狂いが生じ、フェアウエーキープ率は50%。それでも、この日、2人しかいないアンダーパーで回れた要因はショートゲームだった。
勝負を分けたのは12番パー3。グリーン手前ラフから19ヤードのアプローチ。笹生には見えていた。「距離も落としどころも」。小樽のコースを見た時「必要になるかも」と即席で練習していたウエッジでのランニングアプローチで低く出し、チップインバーディー。より近い位置から打った小祝はパー。ここで、2打差をつけた。さらにグリーン上でも勝負強さを発揮。最難関の16番では2オン3パットでボギーとした小祝に対し、3オンながら2メートルのパーパットを沈めた。
8歳でゴルフを始めた時から父・正和さんに言われ、毎朝5時からランニングでコースへ。両足に500グラム重りをつけ、ラウンドする日々を過ごした。体の芯がぶれないアプローチやパットは、積み重ねで築いたものだ。道具にもこだわる。米国発のピレッティ製パターはプロトタイプ。ピンタイプだが、後方の角を削り「構えやすいんです」。グリーンが雨で重い悪条件でも全体2位の27パット。飛距離に加えショートゲームの強さも、まさに「女ウッズ」だ。
今大会は主催者がコロナ禍で戦う選手たちのために賞金を2倍に設定したこともあり、賞金ランク1位に立った。「まだ始まったばかり。自分の夢に向かって頑張りたい」。最終目標は世界一と公言する。この勝利も、まだ序章にすぎない。
○…笹生は今季2戦目までに2304万円を獲得しており、今大会の優勝賞金3600万円を加えて生涯獲得賞金は5904万円に。申ジエと畑岡奈紗の8試合を抜く、ツアー史上最速の3試合目での生涯獲得賞金5000万円突破となった。
○…1988年のツアー制施度行後、10代での2大会連続優勝は04、05年の宮里藍、17年の畑岡に続く史上3人目。10代で賞金ランキング1位に立ったのは05年の宮里藍以来となる。
○…プロ初優勝からの2大会連続優勝は西田智慧子、表純子、畑岡奈紗に続く史上4人目の記録となった。
▽笹生の初優勝VTR 8月14日に開幕したNEC軽井沢72の第1ラウンドでボギーなしの7バーディー、65をマーク。国内プロデビューから2戦連続で首位発進を決めたが、第2ラウンドは72と伸ばせず3位に後退。だが、1差を追った最終ラウンドは赤いポロシャツの“タイガースタイル”で爆発。16番パー5でイーグルを奪うなど大会タイの63で回り、通算16アンダーで2位に4打差をつけて逆転V。プロ4戦目の快挙だった。
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