原英莉花、メジャー初V 通算16アンダー4差のまま逃げ切り 黄金世代で奈紗、渋野に続き3人目
2020年10月05日 05:30
ゴルフ
「本当にしびれる戦いで、集中力マックスにしないと、体がブルっちゃう感じでした。日本女子オープンは憧れの舞台。後になってから、メジャーを勝ったって感じるのかな」
負けん気に火がついたのは、4打差で迎えた11番パー4。小祝が2打目を30センチにつけた瞬間だった。「私も寄る!」。105ヤードの第2打を50センチに寄せ返し、お互いバーディー。続く12番も共にバーディーとした。決着は13番。パーの小祝に対し、グリーン左手前のエッジからのチップインバーディーを奪った。スタート時の4打リードを、一度も縮めさせなかった。
身長1メートル73の恵まれた体格に、華やかなルックス。今やツアーを代表する選手だが、歩んだ道のりはエリート街道ではなかった。日本一を決める今大会。中学時代には友人たちが予選会に挑戦する中、出場すら2度諦めた。「私の実力じゃ無理だと思った」。初挑戦は高校2年になった15年。「まぐれで」本戦への出場権を得たものの、予選落ち。「こんなところで、勝てるのかな」と打ちのめされた。
同世代の勝みなみや畑岡奈紗が次々とアマチュア優勝。黄金世代と呼ばれ始める中、「私は下から“すげえ”って見ていた」。進化のきっかけは尾崎将司への弟子入りだ。尾崎がゴルフ場で実戦練習を積む際、度々パートナーとして声をかけてもらった。常に全長7000ヤード近いコースでプレーした。男子並みの距離で身につけたスケールの大きなゴルフ。それこそ圧倒的な飛距離でツアーを席巻してきたレジェンドから継承された帝王学だった。今大会は国内ツアー史上最長6761ヤードだったが、原にとっては難題ではなかった。
昨年6月に黄金世代7人目となるツアー初V。師匠から「大事なのは2勝目」と言われ続け、つかんだ日本一の称号。3年の複数年シードを獲得し、「やっぱり海外で戦いたい」と目標とする海外ツアー挑戦も視野に入れた。遅咲きの大器は言う。「練習して強い気持ちを持っていれば上には来られると思えた。強い選手でいたい」その表情は、もう誰かをうらやむのではなく、周囲にうらやまれるような自信に満ちあふれていた。
【黄金世代のメジャーV】
☆16年日本女子オープン 最終日に4打差の5位から出た畑岡奈紗(当時アマ)が逆転制覇。史上初のアマ制覇に加え、17歳263日での史上最年少メジャー制覇。
☆17年日本女子オープン プロとして臨んだ畑岡がメジャー記録となる通算20アンダーで2位に8打差をつけて圧勝。樋口久子以来40年ぶりの大会2連覇。
☆19年ワールドレディース・サロンパス・カップ プロ1年目の渋野日向子が大会最年少20歳178日で優勝。ツアー初優勝をメジャー制覇で飾る。
☆同日本女子プロ選手権コニカミノルタ杯 2日目に首位に立った畑岡が2位に8打差をつける圧勝。史上最年少20歳245日でのメジャー3勝目到達。
☆同日本女子オープン 畑岡が2位に4打差をつけてメジャー4勝目。日本人選手としては10年ぶりのメジャー連勝。
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