稲森佑貴、逆転V 2年ぶり2度目の日本一&ツアー2勝目「心拍音が聞こえるくらい心臓がバクバクした」

2020年10月19日 05:30

ゴルフ

稲森佑貴、逆転V 2年ぶり2度目の日本一&ツアー2勝目「心拍音が聞こえるくらい心臓がバクバクした」
18番、ウイニングパットを決めガッツポーズする稲森。右は2位の谷原(撮影・沢田 明徳) Photo By スポニチ
 【男子ゴルフツアー 日本オープン最終日 ( 2020年10月18日    千葉県 紫CCすみれC=7317ヤード、パー70 )】 1打差2位から出た稲森佑貴(26=フリー)が2バーディー、1ボギーの69で回り、通算5アンダーで18年大会に続く2度目のナショナルオープン制覇でツアー2勝目を飾った。1、2勝目がともに日本オープンはツアー史上初。首位から出た谷原秀人(41=国際スポーツ振興協会)は71と落とし、1打差の2位。ローアマチュアには通算2アンダーの5位に入った河本力(りき、20=日体大3年)と杉原大河(たいが、20=東北福祉大3年)が輝いた。
 鹿児島の方言で「ふがいい」と言うのは「運が良い」という意味らしい。「ふ」の言葉との語呂合わせで、稲森にとっては「2」という数字がラッキーナンバーだ。最終18番。ウイニングパットとなったバーディーパットが2メートルだったのは偶然か。令和2年に2年ぶりのツアー2勝目を決めた瞬間、小さく右拳を握った。

 「自分の心拍音が聞こえるくらい、心臓がバクバクした。“ふがいい”感じで終われたので良かった。また日本オープンで勝ちたいと思っていて、実現できて本当にうれしい」

 最終組で回った谷原との一騎打ち。元々2日目に使用することにしているNo・「2」が記されたボールを選び、1打差を追ってスタートした。前半は全てパー。だが、それは想定内だった。「我慢すればチャンスは来る」。18年の経験から、我慢比べだと確信。12番でボギー先行も直後の13番でバーディー。再び1打差に戻すと、17番では谷原のボギーで追いつく。そして、最終ホール。パーとした谷原の次に、バーディーパットを沈めて決着をつけた。

 15年から5年連続フェアウエーキープ率1位。「日本一曲がらない男」と呼ばれる。今大会4日間も78・57%でやはり1位。9月の全米オープンをブライソン・デシャンボーが「飛距離が出ればラフでも」とパワーで制したのをテレビで観戦したが「自分はティーショットを曲げないことをモットーに回った」。曲げなかった信念が2度目の日本オープン勝利を呼び込んだ。

 昨季は勝利がなく賞金ランク49位に沈み「一番苦しい年だった」と振り返る。今年2月22日に美穂さん(25)と結婚。「一家の大黒柱。気持ちの変化があった」。心機一転と臨んだ今季。増した責任感が、勝利への執念につながった。「メジャーを勝てることは自信になる。また、メジャーを勝ちたい」。2度目の日本一に輝いた26歳は、自信に満ちた表情で言った。 

 《26歳16日での日本オープン2勝は史上3番目の年少記録》ツアー初優勝と2勝目が日本タイトルだったのは73年のツアー制度施行後、稲森を含めて3人。過去には81年日本オープンと同年日本シリーズを制した羽川豊と、94年の日本シリーズと95年の日本プロ選手権を制した佐々木久行。同一大会で1、2勝目を飾ったのは稲森が初めてとなった。また、26歳16日での日本オープン2勝目達成は21歳210日でのセベ・バレステロス、23歳73日での浅見緑蔵に次ぐ史上3番目の年少記録。

 ◆稲森 佑貴(いなもり・ゆうき)1994年(平6)10月2日生まれ、鹿児島県出身の26歳。父・兼隆さん(69)の影響で6歳でゴルフを始める。鹿児島城西高2年時の11年プロテスト合格。14年に出場7試合で賞金シードを獲得。18年にツアー初優勝を史上8人目となる日本オープンで飾った。得意クラブは1Wで15年から5年連続でフェアウエーキープ率1位。趣味は読書。1メートル69、68キロ。血液型はA。

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