今平 コロナ「アスリート特例」で参戦 With消毒係も「楽しい」イーブン発進

2020年11月20日 05:30

ゴルフ

今平 コロナ「アスリート特例」で参戦 With消毒係も「楽しい」イーブン発進
<ダンロップフェニックス・初日>12番、ドライバーの受け渡しの際に今平のグリップを持つことを禁止されシャフトを握る柏木キャディー(撮影・西尾 大助) Photo By スポニチ
 【男子ゴルフツアー ダンロップ・フェニックス第1日 ( 2020年11月19日    宮崎県・フェニックスCC=7042ヤード、パー71 )】 米メジャーのマスターズから帰国し、14日間の自主隔離期間中にもかかわらず政府の特例措置で出場した昨年の覇者、今平周吾(28=フリー)は異例の厳戒態勢下でプレー、3バーディー、3ボギーの71で回り、44位だった。重永亜斗夢(32=ホームテック)が6バーディー、ボギーなしの65で首位に立ち、石川遼(29=CASIO)は3オーバーで71位だった。
 異例の光景が広がった。プレー中の今平には専属の係員2人と警備員2人がついた。他の選手らと2メートル以上の間隔を空けることを厳命され、柏木キャディーへのボールの手渡しも禁止された。椅子やテーブルなど触ったものには全て消毒液が噴霧され、ハーフ終了後のトイレ休憩でも使用後に係員が消毒した。

 今平は「違和感はあった」と明かした。ホールアウト後に提出したスコアカードにも消毒する念の入れように、柏木キャディーも「ここまで厳しいとは思ってなかった。消毒し過ぎて指紋がなくなったよ」と苦笑いした。それでもイーブンで初日を無事終えた今平は「普段なら2週間隔離とかでゴルフができない状況があるけど、こうして出させてもらって楽しい」と充実感を口にした。

 新型コロナウイルスの感染防止対策で海外からの帰国者は14日間の自主待機が求められるが、政府は12日に東京五輪を目指す選手らに対する緩和措置を発表。マスターズ参戦中に「連覇も懸かるし、コースとの相性もいい。本当に出たいという気持ちがあった」と今大会の出場を決めた。

 初めて決勝ラウンドに進んだマスターズでは44位となり、17日に帰国。18日に神奈川県内の自宅から、社会的距離を保つため周囲6席確保した新幹線とハイヤーを乗り継いで計9時間以上をかけて午後8時半に宮崎入りした。強行日程に疲労は抜けず「移動で座っていることが一番きつかった」。時差ボケで前夜は「2回ほど起きた」と明かし、前半はいつもは曲がることのない左にもボールが飛ぶなど2つのボギーが先行し精彩を欠いた。

 それでも後半の1番で第2打を1メートルに寄せるなど3バーディーを奪った。「オーバーパーを打たなかったので、とりあえず良かった」。違和感の連続で疲労は増したかもしれないが、異例の挑戦が吉と出ることを誰もが願っている。

 ◇アスリート用東京オリパラ準備トラック(通称アスリートトラック) 東京五輪・パラリンピックに関連し、国内で開催される国際大会に出場する選手らに、必要な防疫措置を講じた上での入国を認め、入国後14日間の自宅待機期間中の活動(大会参加など)を可能とする措置。今平の場合、トーナメント出場は五輪ポイント獲得という強化活動に当たると判断された。

 <今平への主な対応>☆大会期間中の宿泊 フェニックス・シーガイア・リゾート内コテージ・ヒムカに宿泊。客室清掃は行わず、シーツ・タオル等は今平が取り換える。

 ☆食事 大会係員および今平の同伴者が届けたものを自室で取ることに限定。

 ☆練習場での防疫措置 他の選手の使用する送迎シャトルの発着場とは別の発着場を設定し、入退場ルートを分ける。今平専用打席を設定し、他の選手との動線を分ける。

 ☆会場内 クラブハウスの使用を不可とする。クラブハウス横駐車場に専用車両を駐車し、クラブハウスを通らずにコースへの出入りを行う。

 【今平と同組】▼44位香妻陣一朗 2メートルから近づいてはダメとかは、気遣いながらやってました。話しかけてはいけないのかと思ってましたけど、ちょっと遠く離れて会話していました。やりづらさはありました。球の位置が近いとどうしても近くなるので。(前週優勝者は今平と同組でプレー)

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