柔道「桂治ニッポン」 最重量級で五輪「金」必ず 康生路線を継承&進化へ

2021年09月29日 05:30

柔道

柔道「桂治ニッポン」 最重量級で五輪「金」必ず 康生路線を継承&進化へ
全日本柔道連盟の強化委員会幹部記者会見で写真に納まる(左から)増地克之女子監督、金野潤強化委員長、鈴木桂治男子新監督 Photo By 代表撮影
 全日本柔道連盟(全柔連)は28日、オンラインで臨時理事会を開き、任期満了で男子日本代表監督を退任する井上康生氏(43)の後任に、04年アテネ五輪100キロ超級金メダルの鈴木桂治氏(41)の就任を決めた。五輪2大会にわたり重量級担当コーチを務めた鈴木氏は、井上路線の継承と進化を約束。さらに恩師である故・斉藤仁元強化委員長の“遺言”である、最重量級での五輪金メダル獲得に全力を尽くす考えを示した。
 就任決定後、東京都文京区の講道館で会見に臨んだ鈴木氏は「井上監督体制から大きな変更、改革をする考えはない。3年という短い時間の中で、変更するよりも深掘りする」と所信表明した。史上初の五輪延期の影響で、次のパリ大会まで3年。選手との対話を重視し、トレーニングや科学的アプローチを取り入れ、五輪2大会で計7個の金メダルを獲得した井上路線を継承する考えを示した。

 パリ五輪の目標については「選手がそういう意思であり、日本柔道の意思もそこにある」と個人戦全7階級、そして東京では逃した男女混合団体戦での金メダル獲得を掲げた。とりわけこだわるのが最重量級である100キロ超級での金メダル獲得だ。これまで04年アテネの自身を含む5個の最重量級メダルを獲得した日本だが、最近3大会では頂点に届かず。「特に大きな課題」と語気を強めた。

 その思いを裏打ちするのが、12年秋に担当コーチ就任の際に当時の斉藤強化委員長から掛けられた「必ず金メダルを獲る。その覚悟を持ってコーチをしろ」の言葉。東京五輪では100キロ級のウルフ・アロンを金メダルへ導いたが、原沢久喜を擁した100キロ超級はリオが銀、東京はメダルなし。15年1月に志半ばでこの世を去った恩師の“遺言”を実現するため、「監督になっても最大限の大きな目標として掲げたい」と決意表明をした。

 監督初仕事はくしくもパリでのグランドスラム(GS)大会(10月16、17日)となる見通しだ。花の都で3年後に向けた戦いの幕が切って落とされる。

 ◇鈴木 桂治(すずき・けいじ)1980年(昭55)6月3日生まれ、茨城県常総市出身の41歳。国士舘中・高・大・大学院出身。類いまれな足技を武器に全日本選手権を4度、世界選手権を2度(03年無差別級、05年100キロ級)、100キロ超級で出場した04年アテネ五輪を制覇。12年秋に男子日本代表重量級担当コーチに就任し、母校の国士舘大でも監督を務めた。国士舘大教授。1メートル84。家族は夫人と1男2女。

 ≪女子は増地監督続投≫女子監督は東京五輪で金4個、銀、銅各1個のメダルをもたらした増地克之監督の続投が決まった。52キロ級の阿部詩、78キロ超級の素根輝ら若手を引き上げた育成手腕、コーチ、スタッフ陣をまとめるマネジメント能力が高く評価されたもの。会見では「東京五輪では全選手が金を獲得できずに悔しい思いをした。やってきたことをベースに進化させていく」と話した。

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