4回転半がある未来へ 羽生結弦が歩む不屈の道
2021年10月21日 16:30
フィギュアスケート
14年ソチ、18年平昌と五輪連覇の羽生結弦(ANA)が、クワッドアクセル(4回転半ジャンプ)に挑んだ。計12度のトライ。回転が抜けた他に、6度の転倒があった。
さかのぼること約1年4カ月。19年12月、GPファイナルのフリーに向けた公式練習でも成功はなかった。
「8分の1回れば立てますね、間違いなく」。今年3月末に羽生が残したコメントだ。前人未到の超大技へ、確かな手応えがあった。だからこそ、国別練習翌日の4月18日に言った。「全然、良い時のジャンプにならなかった。もっと良いです、本当は!」。そして、続けた。「めちゃくちゃ悔しかった」と。
春から秋へ。季節が巡った今、正確な現在地は羽生だけが知る。 有力選手が集うグランプリ(GP)シリーズが22日(日本時間23日)のスケートアメリカで始まる。羽生はNHK杯(11月12日開幕、東京)とロシア杯(11月26日開幕、ソチ)にエントリー。先日、最新のコメントが届いた。
羽生がテーマに選んだのは「できること、一つずつ。」だった。 「自分の中ですごく大切にしている言葉のひとつで、自分が今まで出会ってきた言葉の中でも、凄く大切にしている言葉です。今まで『進化』とか『挑戦』とか言ってきましたが、毎日出来ることは違うし、苦しんだり、楽しかったり、幸せを感じたり、悲しみを感じたり、いろんな感情がありますが、できることを一つずつ丁寧に積み重ねていきたいと思っています。自分の一番の目標は4回転半を成功させたいということなので、そこに向かって今、全神経と全気力を使ってる感じです」
何度、氷に体を叩きつけられようとも立ち上がり、また跳んでいるのだろう。失敗を成功に変える、理想のバランスを求めて。
コンディションがいい日もあれば、悪い日もあるだろう。その日できることに全力を尽くす。不可能は可能になると信じて。
きっと今、この瞬間も、リンクの内外で全てを注ぎ込んでいるに違いない。
4回転ルッツと4回転半の基礎点の差は、わずかに1点。ハイリスク・ローリターンな現状を知った上で、譲れない究極の目標を追う。
天高く舞い、鮮やかに地へ。
不屈のアタックが実を結ぶ瞬間は、確実に迫っている。
(杉本 亮輔)
おすすめテーマ
2021年10月21日のニュース
特集
スポーツのランキング
-
昨季ファイナル進出のサンズは初戦で黒星 ニックスは再延長の末にセルティクスを撃破
-
ラグビー日本代表 SO松田が3年ぶりに先発 23日世界3位オーストラリア戦
-
松山英樹 前半を折り返して首位に1打差 ZOZOチャンピオンシップ
-
渋野日向子は1オーバーでハーフターン NOBUTA GROUP マスターズGCレディース
-
ウィザーズが4年ぶりに白星発進 ラプターズはホーム開幕戦で黒星 渡辺は欠場
-
石川遼は72で28位に後退 通過ラインと2打差 米下部ツアー2次予選会
-
体操・橋本 個人総合最年少Vへ貫録首位発進!「楽しむだけ」
-
内村 納得の安全策で鉄棒予選5位「意地を見せた」
-
跳馬・米倉 手応え4位「予選としては合格点」
-
体操・畠田が無念の棄権 練習中落下して首を負傷 女子個人総合決勝
-
渋野“勝負キャディー”初タッグで今季2勝目狙う 21日開幕マスターズGCレディース
-
古江が米挑戦を発表 “自宅通勤”で2週連続V狙う「頑張っていきたい」
-
原英莉花「好きなコース」で優勝目指す 18年初シード確実にした思い入れの強い場所
-
勝みなみ ショット好調キープ「バーディーたくさん取りたい」
-
ボミ 「日本のお父さん」に4年ぶりの復活Vささげる 19年は1打及ばず2位
-
松山「マスターズが10としたら、1もない状態」でも…日本のファンに「いいプレー見せられるように」
-
金谷拓実、松山との練習ラウンドに刺激 「やっぱり見て学ぶことは多い。自分も努力しなきゃ」
-
石川遼が24位発進 米下部ツアー2次予選会、72ホール19位タイまでが最終予選会へ
-
柔道女子70キロ級女王・新添 24年パリ五輪へ「自分が先頭に立つほど、まだ成長できていない」
-
宇野昌磨らを追加派遣 11月開催ワルシャワC
-
荒磯親方、新宿舎に感激 11・14初日、九州場所へ「気持ち晴れやかに稽古できる」