村岡桃佳、大回転座位で金メダル!3冠達成「絶対に負けたくなかった」

2022年03月12日 05:30

アルペンスキー

村岡桃佳、大回転座位で金メダル!3冠達成「絶対に負けたくなかった」
アルペンスキーの女子大回転座位で金メダルに輝いた村岡桃佳(AP) Photo By AP
 【北京冬季パラリンピック第8日 アルペンスキー ( 2022年3月11日    国家アルペンセンター )】 アルペンスキーの女子大回転が行われ、座位の村岡桃佳(25=トヨタ自動車)が2連覇を飾り、滑降とスーパー大回転と合わせ今大会3冠を遂げた。1大会で3つの金メダルは冬季大会の日本勢の史上最多記録に並んだ。自身通算4個目の「金」は単独最多。スノーボードの男子バンクドスラローム下肢障がいで、初出場の元トッププロスノーボーダー岡本圭司(40=牛乳石鹸共進社)は13位に終わった。

 鬼気迫るような圧巻の滑りだった。村岡は「勝つか、転ぶか。フルアタックをかけた」という攻めを2回目に披露。結果的に2位に7秒28差をつける圧勝だった。自信のあるターン技術を出せることから、大回転は最も得意でこだわりを持つ種目。「絶対に負けたくなかった。達成感にあふれている」と2連覇に声を上ずらせた。

 「私はめちゃくちゃ負けず嫌い」と自認する。7日のスーパー複合は、苦手だった後半の回転で6秒以上のリードをひっくり返され、銀メダルに涙を流した。この日午前中に行われた1回目は「金メダルを獲りたいという気持ちが強過ぎるあまり、体が硬くなって、動けなかった」と本来の躍動的なターンは影を潜めた。リウ・スートン(中国)に1秒04のリードを許して2位。「ショックを受けた」という出遅れが、エースの心に火を付けた。2回目はエッジを立て、雪面に迫るぐらい体を大きく傾けるカービングターンで減速を最小限に抑えて逆転した。

 日本の冬季パラ選手では単独最多となる通算4個目の金メダル。北京冬季五輪で日本選手団主将を務めたスピードスケート女子の高木美帆(日体大職)と同じ1大会4個目のメダルとなった。パラの選手団主将を務める村岡は「高木選手が4つ獲った姿を見ていて、凄いなと思っていた。ベストを尽くした結果、同じ数を獲得できてうれしい」と充実した表情だった。

 12日は最終種目の回転。「後はもう楽しむだけ。苦手なスラロームでも楽しい滑りをしたい」。2大会連続となる全5種目表彰台の偉業に挑む。

 ≪40歳の岡本「悔しい」13位≫40歳“オールドルーキー”のデビューの舞台が、幕を閉じた。岡本は得意のスタートやカーブで持ち味を発揮したが、13位。「正直悔しいっす。今日は心の底から楽しめなかった」と肩を落とした。

 健常者の時からプロスノーボーダーとして活躍し、日本では初の大技ダブルコークを成功させた第一人者。だが、33歳だった15年2月、競技の映像作品の撮影中、事故で脊髄損傷となった。医師から車いす生活を宣告され「自分が生きる道を見失った」と絶望を味わった。

 懸命のリハビリで自立歩行できるまで回復。転機は18年、パラスノーボードクロス大会への出場だった。当時の日本エース・成田緑夢らに影響を受け、パラ挑戦を決意。滑走フォームや道具の研究を重ね、北京切符をつかんだ。初の大舞台は7日のスノーボードクロスでも8位と満足できる結果ではなかったが、視線は前を向く。「この悔しさを忘れず、次につなげたい。自分がストーリーの真ん中にいられるようにと強く思う」。4年後、主役の座を奪ってみせる。

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