【玉ノ井親方 視点】アップアップだった逸ノ城…212キロ逸ノ城が80キロ軽い若隆景に完敗

2022年11月18日 19:42

相撲

【玉ノ井親方 視点】アップアップだった逸ノ城…212キロ逸ノ城が80キロ軽い若隆景に完敗
<大相撲九州場所6日目>逸ノ城(右)を下手投げで破る若隆景(撮影・岡田 丈靖) Photo By スポニチ
 【大相撲九州場所6日目   ●逸ノ城(下手投げ)若隆景○ ( 2022年11月18日    福岡国際センター )】 少よく大を制す。若隆景と逸ノ城の取組は相撲の面白さが凝縮された一番だった。
 1メートル90、212キロの逸ノ城が身長で7センチ低く、体重が80キロも軽い若隆景に何もさせてもらえなかった。

 若隆景は立ち合いからすぐに相手の懐に入り、右を差して頭をつけた。左下手は取れなかったが、右で浅くまわしを取って頭をつけ、逸ノ城の左手がまわしに届かないようにした。さらに相手の右手首を取りながら右差しを封じる。

 逸ノ城は左で若隆景の右を抱え込むような形で我慢。しばらくまわしを取る機会をうかがっていたが、膠着(こうちゃく)状態が続いてしびれを切らし、まわしがつかめないまま強引に前に出ようとした。

 そのタイミングを見計らっていた若隆景は、すかさず左下手を取りもろ差しの形になると、右から投げを打って巨体を土俵下まで投げ飛ばした。

 普通は我慢比べになると体の大きい方が有利。だがこの日は逸ノ城の方が何も反撃できず、徐々にスタミナを奪われる形で最後はアップアップの状態だった。それだけ若隆景の右下手の取り方がうまく、相手の右の封じ方も巧みだったということだ。

 今場所は若隆景にとって、大関獲りの足場固めの場所。最近は序盤戦でつまずくことが多かったが、ここまでは4勝2敗と良い流れで取れている。細かいことを言えば、揺さぶられた時に少し軽さが見られるところが気になるが、中盤戦に入って土俵にもっと慣れてくれば、動きもだんだん良くなってくる。逸ノ城のような巨漢力士を相手に我慢の相撲で勝てたことは、中盤戦の大きな弾みになるはずだ。(元大関・栃東)

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