砂村光信氏 ラグビー日本代表W杯4強への不安要素 準備期間の短さとロック、SHの3番手不足

2022年11月22日 05:05

ラグビー

砂村光信氏 ラグビー日本代表W杯4強への不安要素 準備期間の短さとロック、SHの3番手不足
連係を駆使しながら攻め込む中野(中央)(AP) Photo By AP
 【ラグビー「リポビタンDツアー2022」   日本17―35フランス ( 2022年11月20日    フランス・トゥールーズ )】 世界ランキング10位の日本は同2位のフランスに17―35で敗れ、テストマッチ5連敗で22年の全試合日程を終えた。来年のW杯ホスト国で優勝候補の一角に挙がる強豪から2トライを奪ったが、さまざまな課題を残す結果となった。19年大会を超える史上初の4強入りを目指すW杯に向け、本紙評論家の砂村光信氏(元U―23日本代表監督)が現状を分析した。
 結果的に完敗したが、序盤の2つのプレー次第では試合全体の流れを変えられる可能性があった。1つ目は開始直後に姫野が抜けた後の選択。防御が手薄となる大外へ回すのがセオリーだが、サポートが遅れて回せずチャンスをつぶした。2つ目は前半7分、防御枚数で上回りながらライリーが上がってしまい、裏へ蹴られてトライを許したシーン。本職のセンターなら間違いではないが、慣れないウイングでは判断ミスで、失点に直結した。

 テストマッチ5連敗で今年の活動を終えたが、連敗相手はティア1でも上位のフランス、ニュージーランド、イングランド。接戦に持ち込むのも難しい強豪と5試合組めたのは大きな経験になるし、敗戦自体を悲観しすぎることはない。

 むしろ課題は10カ月後の本番へ向けた強化計画だろう。フランス戦では斎藤と中野のコンビネーションでトライを取り切ったが、2人のようなあうんの呼吸でプレーできるコンビがもう2、3枚は欲しい。来年5月中旬のリーグワン閉幕後、実質3カ月の準備期間で連係が高められるか。

 ロックのディアンズやSH斎藤、SO李が国際レベルで試合慣れしてきたのは収穫で、主将経験のあるラブスカフニの復帰でタタフがインパクトプレーヤーに回るなど、選手層は徐々に厚くなっている。一方、ロックやSHの3番手が誰になるのか、現状で見えてこない点は課題だ。

 リーグワンはまだ得点差が開く負荷の低い試合が多く、2部所属の選手もいる。国内レベルに慣れてしまうと国際レベルに戻すのは容易ではない。W杯経験者は理解してコンディション維持に努めるだろうが経験の少ない若手にとっては難しい5カ月間となりそうだ。

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