国枝「世界1位のまま」引退 車いすテニス界のレジェンド「生涯ゴールデンスラム」達成で完全燃焼
2023年01月23日 04:30
テニス
06年に世界ランキング1位に初めて就き、09年に大学職員を退職してプロ転向。15年以上も世界のトップに君臨した。16年の右肘手術後は、患部に負担のかからないフォームに改善するなど向上心を持ち続け、4大大会で歴代最多50回の優勝を積み上げた。21年に競技人生の最大目標だった東京パラで金メダル。その後は引退が頭をよぎる中でプレーを続け、昨夏に男子史上初の生涯ゴールデンスラムを達成したことで完全燃焼した。未来の日本車いすテニス界を世界4位の小田凱人(16=東海理化)ら有望な後進に託す。
ラケットに座右の銘「オレは最強だ!」と書いたテープを貼り、勝利を追求してきた。国内唯一のATPツアーである楽天オープンに車いすテニス部門の導入を働きかけ、19年に実現させるなどコート外での功績も大きい。今後は未定だが、車いすテニス界の発展につながる活動を幅広く行う方針だ。名実ともに最強のパラアスリート。第二の人生も活躍が期待される。
◇国枝 慎吾(くにえだ・しんご)1984年(昭59)2月21日生まれ、千葉県出身の38歳。麗沢高―麗沢大卒。9歳の時、脊髄腫瘍による下半身まひで車いす生活となり11歳で車いすテニスを始める。07年全豪オープンで4大大会を初制覇し、同年に史上初の年間グランドスラムを達成した。09年に麗沢大職員を退職してプロ転向。パラリンピックは04年アテネから21年東京まで5大会連続出場。シングルス3個、ダブルス1個の金メダルを獲得した。4大大会シングルスでは全豪11回、全仏8回、ウィンブルドン1回、全米8回の優勝。座右の銘は「オレは最強だ!」。身長1メートル73、右利き。
≪国枝偉業アラカルト≫
☆07年 1月の全豪オープンで4大大会初制覇。同年の全仏、全米も制し、年間グランドスラムを達成した(ウィンブルドン選手権は16年から車いす部門シングルスを導入)。
☆08年 北京パラリンピックの男子シングルスで金メダルを獲得。斎田悟司と組んだダブルスでも銅メダルを手にした。
☆21年 東京パラリンピック男子シングルスで優勝。日本選手団主将を務める重圧に勝ち、2大会ぶり3度目の金メダルに輝いた。
☆22年 6~7月に開催されたウィンブルドン選手権を5度目の出場で初制覇。チェアワークが難しい芝を攻略して、パラリンピックと全4大大会を制する生涯ゴールデンスラムを成し遂げた。
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