スプリンター壱岐あいこ 大阪ガス初の女子陸上選手に 働きながらパリ五輪&25年東京世界陸上へ疾走

2023年04月26日 10:00

陸上

スプリンター壱岐あいこ 大阪ガス初の女子陸上選手に 働きながらパリ五輪&25年東京世界陸上へ疾走
大阪ガスでの飛躍を誓った壱岐 Photo By スポニチ
 五輪を目指すアスリートや関係者らを取り上げるコラムの今回は、東京五輪女子400メートルリレー補欠選手で今春に大阪ガスへ入社した壱岐あいこ(22、写真)。同社陸上部初の女子選手となり、本紙に社業と競技を両立していく覚悟などを語った。
 朝原宣治や小坂田淳、江里口匡史ら五輪選手を輩出してきた大阪ガス陸上部に今春、初の女子アスリートが誕生した。3月で立命大を卒業し、同社に入社した壱岐。4月3日の入社式を終えてから2週間あまりの研修期間を経て大阪ガスマーケティングの「法人住宅営業部京滋営業チーム」に配属された。

 3歳年上の姉・いちこ(ユティック)とともに陸上界では知られた存在で、100メートル、200メートルで実績を残してきた。一昨年の東京五輪では女子400メートルリレーで補欠選手に。以前は大学卒業と同時に陸上から離れることも考えていたが、東京五輪の女子1500メートルで田中希実(ニューバランス)が8位入賞。その姿を間近で見て、強い思いが湧き上がってきた。

 「前までは“女子中距離界で日本の選手が入賞なんて”という感じだったけど、決勝に進出されて、可能性は無限大だと肌で感じた。まだ私自身も限界には到達していないし、伸びしろはあるなと。自分も日本代表になりたいっていう気持ちが強くなった」

 競技を続ける決心をした一方で、引退後も一人の社会人として働き続けたい意志を持っていた。社業と競技の両立を大前提に就職先を模索し、最もマッチしたのが大阪ガスだった。昨夏の世界選手権に出場した男子100メートルの坂井隆一郎も、同社で働きながら陸上に打ち込んでいる。

 研修期間中には、これからの「ありたい姿」を考える講義があった。自分の未来について思考を深め、プレゼンテーションする。壱岐は「社業も競技も頑張る。大阪ガスグループこそが自分の最も輝ける場所にする」と発表した。働きながら走り、現在は6月の日本選手権(ヤンマー)に向けて大会などに出場しながら状態を上げている。

 「来年のパリ五輪も目指しているし、25年に東京で開催される世界陸上で代表を狙っていきたい。それは大学4年のシーズンが終わった昨年の秋に決めました」

 大阪ガスの看板を背負い、スプリンターとして大舞台で輝く姿を追い求める。

 ◇壱岐 あいこ(いき・あいこ)2000年(平12)11月27日生まれ、滋賀県出身の22歳。小学生の頃に陸上を始める。京都橘高、立命大出身。自己ベストは100メートルが11秒57、200メートルが23秒62。

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