引退発表の宇野昌磨 羽生結弦さんら引退で闘志わかず「ゆづくんの存在が大きかった」苦悩した近年
2024年05月10日 04:30
フィギュアスケート
現役生活は、輝かしい記録と記憶に彩られた。5歳の時に訪れたリンクで元世界女王の浅田真央さんに誘われ、スケートを開始。15年にシニアに移行し、16年4月には世界で初めて大技4回転フリップを成功し、注目を集める存在となった。その後は羽生結弦さんの背中を追い、平昌五輪銀メダルを獲得。北京でも個人銅、団体銀と五輪3つのメダルは、日本フィギュア界最多となっている。
それでも、世界の頂点に立った直近2年は苦悩する日々だった。追いかけ続けた羽生さんや五輪王者のネーサン・チェン(米国)が競技会を去り、タイトルを守る立場に変わった。「心から勝ちたい気持ちになれなかった。年齢なのか、ネーサン、ゆづくんの存在が大きかったのもある」と明かし「競技者の精神は、あの2人が現役を退いた時点で難しいものになった。やらなきゃという使命感から、何とかこの2年つないだ」とも吐露していた。
引退発表は電撃的だったが、熟慮し続けた上での決断。2連覇した昨年3月の世界選手権後は「しばらくスケートをしたくなかった」。引退できずに続けた今季は特に「良い成績を出そうが、全然、それに見合ったうれしさを感じることはなかった」という。次世代の壁となるべくリンクに立ち続けたが、イリア・マリニン(米国)が初優勝、鍵山優真が2位だった3月の世界選手権は4位。試合では心から湧き出る感情はなかった。
現役の全日本選手権王者でもあり、2年後の五輪のメダル獲得も射程圏内だった。だが、世界選手権後に「僕なりに最善を尽くした」と言った言葉は、偽らざる本音。重責を全うしたスケーターは悔いなく、新たな道に進む。 (大和 弘明)
◇宇野 昌磨(うの・しょうま)1997年(平9)12月17日生まれ、名古屋市出身の26歳。5歳でスケートを始め、ジュニア時代から主要国際大会を制覇。シニアでは全日本選手権16~19年4連覇を含む男子歴代2位に並ぶ6度優勝。19年四大陸選手権、22年GPファイナルを制し、22、23年と連覇した世界選手権と合わせ、生涯グランドスラムを達成。4回転フリップ世界初成功はギネス記録認定。現行ルールでの自己ベストはSP109.63点(世界歴代3位)、フリー204.47点(同6位)、合計312.48点(同4位)。1メートル58。
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