サニブラウン 金だけ目指す 陸上男子100メートル日本勢初メダルへ強気「9秒8台も見えてくる」

2024年06月06日 04:50

陸上

サニブラウン 金だけ目指す 陸上男子100メートル日本勢初メダルへ強気「9秒8台も見えてくる」
パリ五輪の陸上男子100メートル代表に決まったサニブラウン Photo By ゲッティ イメージズ
 パリ五輪は6日で開幕(7月26日)まで50日。陸上男子100メートルで世界選手権2大会連続入賞を果たし、花形種目で初の五輪代表に決まったサニブラウン・ハキーム(25=東レ)が共同通信のインタビューに応じ、日本勢初メダルの偉業達成へ思いを語った。
 ――昨夏の世界選手権では前年の7位を上回る6位に入った。
 「昨年の方が悔しかった。一昨年は体も精神的にもいっぱいいっぱい。昨年の方が余裕があり、感覚も良かった分、もっとできたと思う。100%を出し切れていない。完全燃焼した結果じゃないと満足できない」

 ――五輪の男子100メートルでは「暁の超特急」と呼ばれた吉岡隆徳が1932年ロサンゼルス大会で6位に入ったのが最高。
 「とにかく金メダルだけを目指している。1位以外は興味がない。心身とも万全の状態で臨み、決勝で自分の120%の力を出す。今まで経験したこと全てで、自分が成長したことを証明する大きな機会になる」

 ――21年東京大会は故障もあって100メートル代表は逃し、200メートルに出場して予選落ち。
 「あの時からは一歩ずつ、いい方向に階段を上がっている。ケガして良かったとは思わないが、実になっていることは多い。体の理解度が低いと絶対に支障が出る。危険要素を排除しながらトレーニングしていけるようになったし、100メートルに関する知識量も増えた」

 ――課題のスタート改善にもつながった。
 「昨季までは2歩目が短く、3歩目で取り戻そうとしてロスしていた。昨年11月の練習でいい感覚をつかんだ。足運び一つで、よりスムーズに加速でき、自分でも驚いている。1歩の違いで全く違う前半30メートルになり、走っていても凄く気持ちがいい。いつもより前で勝負できるので、本当にチャンスがあると思う」

 ――今後は欧州を拠点に本番に向けて準備する。
 「自分がどこまで突き詰めていけるのかが、一番の楽しみ。まずはここから40~60メートルの中盤が課題になる。良くなった前半をいかにスムーズにつなげられるか。反復練習でしっかり仕上げられれば、9秒8台も見えてくる」

 ◇サニブラウン・ハキーム 1999年(平11)3月6日、北九州市生まれ、東京都出身の25歳。小4から陸上を始め、城西大城西中、城西高を経て17年にフロリダ大進学。19年11月にプロ転向し、20年7月に練習拠点をフロリダ州のタンブルウィードTCに変更。23年6月から東レ所属。100メートルは19年6月に全米大学選手権で当時の日本新記録となる9秒97をマーク。先月30日のダイヤモンドリーグ(オスロ)で自身5度目の9秒台となる9秒99を出し、パリ五輪の参加標準記録(10秒00)を突破して同種目で初の五輪代表に決まった。1メートル90、83キロ。

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