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お家芸光ったバレー男子 悔しい銀メダルも石川「1点の重み感じられたことは良い経験」指揮官も満足

2024年07月02日 05:00

バレーボール

お家芸光ったバレー男子 悔しい銀メダルも石川「1点の重み感じられたことは良い経験」指揮官も満足
<日本・フランス>雄叫びを上げる石川 (C)volleyballworld.com Photo By 提供写真
 【バレーボール ネーションズリーグ男子決勝   日本1-3フランス ( 2024年6月30日    ポーランド・ウッジ )】 日本は決勝でフランスに1―3で敗れて初優勝を逃した。2位は昨年の3位を上回る過去最高順位。世界一には届かなかったが、東京五輪金メダルの強豪と渡り合い、主要国際大会では77年W杯以来の銀メダルを獲得。パリ五輪での72年ミュンヘン大会以来52年ぶりの金メダル獲りへ期待が高まった。石川祐希(28=ペルージャ)がベストアウトサイドヒッター、山本智大(29=大阪ブルテオン)がベストリベロに選出された。
 ミュンヘン五輪以来52年ぶりの世界一にあと一歩届かなかった。第4セット、23―22から連続失点。マッチポイントを握られると、最後は石川のスパイクが高いブロックに阻まれた。徹底マークされたエースは「チームを最後に勝たせることができず悔しい」と責任を背負い込んだ。

 勝負どころで1点を取り切れなかった。第3セットは23―23と追い付いてから相手の高さに屈し、連続失点。第4セットも終盤に崩れた。それでも石川は「1点の差でメダルの色が変わる。1点の重みを決勝に来て、より感じられたことは良い経験になった」と前を向いた。決勝の舞台に立ったからこそ得られた教訓と捉えた。

 銅メダルを獲得した昨年の大会から確実に進化した。山本は「レセプション1本にしても細かいプレーに差を感じた。五輪までに修正したい」と満足していないが、リベロを中心にボールをコートに落とさない守りで相手のミスを誘った。ミドル陣は速攻で得点し、効果的なブロックでレシーバーを助けた。

 苦しい体勢になったアタッカーがあえてブロックに当ててリバウンドを取り、組み立て直す攻撃はまさにお家芸。精度に磨きがかかった。ラリーで得点を奪う日本のバレーはどの会場でも喝采を浴びた。ブラン監督は「目標は今大会ではなく、あくまでも五輪でのメダル。結果には満足している」と達成感をにじませた。

 主要国際大会では47年ぶりの銀メダル。大会前からの公約を守った石川は「次こそ金メダルを獲りたい。パリ五輪ではそこを目指せるチームだと思っている」と言った。前哨戦で強烈なインパクトを残したことは間違いない。有言実行の男はパリでの頂点を見据えた。

 9日から国内合宿、14日からポーランド合宿を経て23日にパリに入る。ブラン監督は「合宿でポーランド、米国、セルビアとトーナメントをやるつもりだ」と意気込んだ。今大会は各国、ベスト布陣ではなかったかもしれない。だが日本にもまだ高橋藍がいる。石川は「勝ち切るだけの心と体の準備をしたい」と決意を新たにした。

《77年W杯以来》
 ○…主要国際大会で日本男子バレーが銀メダルを獲得するのは77年W杯以来、47年ぶり。同大会はリーグ戦で最終順位を決定したため、決勝は実施されなかった。主要大会で決勝に進出したのは金メダルを獲得した72年ミュンヘン五輪以来52年ぶりだった。

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