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藤田寛之 プロ32年目でも尽きない向上心 全米シニアオープン選手権で2位奮闘

2024年07月18日 08:00

ゴルフ

藤田寛之 プロ32年目でも尽きない向上心 全米シニアオープン選手権で2位奮闘
関西オープンで取材後、笑顔を見せる藤田寛之 Photo By スポニチ
 【山手あかりのエキストラホール】全米シニアオープン選手権で藤田寛之(55=葛城GC)が2位と大健闘を見せた。初日から首位を守り続けたものの、最終日は悪天候によるサスペンデッドで順延。翌日はショットが乱れ、苦しい展開の中でプレーオフに持ち込んだが、力尽きた。
 23年から主戦場をシニアツアーに移した。今季レギュラーツアー初戦となったのは5月の関西オープン。55歳になった今もレギュラーツアー出場を続けているのは、師匠・芹沢信雄の言葉が影響している。

 「レギュラーの雰囲気をまだ感じたいし、芹沢プロが言ってたんですけど、シニアばっかり行っていると、シニアのゴルフになってくる。レギュラーでやることが自分のゴルフを老化させない」

 シニアツアーに比べるとレギュラーツアーは、総距離も長く、グリーンスピードも速い。しかし、そのハードなセッティングが藤田のやりがいをかき立てる。「自分のゴルフに対してハードルがグッと上がるし、ゴルフも上手になる。選手たちのレベルも高いから、その中でやることで自分自身が磨かれていくと思う」。プロ32年目になっても、まだまだ向上心が尽きることはない。

 今季ここまでのドライビングディスタンスは261・91ヤード。平均飛距離300ヤード超の若手と回れば、約50ヤードオーバードライブされることもある。年齢とともに変化していく自分自身の体。入念にケアとトレーニングを行い、必死にあらがうも「それでも追いつかない」と本音をこぼす。20年にデビューしてから、今年でシニアツアー5年目。レギュラーツアーとは違った楽しさを徐々に見いだす中で「いい意味で諦めがつく。“もう藤田、いいんじゃない?頑張ったじゃん”っていう自分がいるんです」と話す藤田の表情はどこか吹っ切れたようだった。

 それでも関西オープンでは若手に交じり、堂々の予選通過。ラウンド後には練習場で球を打ち込む姿が印象的だった。持ち味の渋い堅実なゴルフはまだまだ健在。何歳になってもレギュラーツアーで戦う藤田寛之が見たい。

 ◇藤田 寛之(ふじた・ひろゆき)1969年(昭44)6月16日生まれ、福岡県出身の55歳。15歳でゴルフを始め専大を経て92年にプロ転向。97年サントリーオープンでツアー初V。10年には2勝を挙げて最優秀選手賞。12年には年間4勝をマークし、43歳で賞金王に。同年の日本シリーズJT杯では大会史上初の3連覇を達成するなどツアー通算18勝。20~21年に23季守り続けた賞金シードから陥落。22年はシニアツアーで2勝した。1メートル68、70キロ。

 ◇山手 あかり(やまて・あかり)1999年(平11)1月7日生まれ、大阪府出身の25歳。8歳からゴルフを始め、大阪桐蔭高、名古屋商大ではゴルフ部に所属。2021年4月入社。デジタル部門を経て23年1月からゴルフ担当。ベストスコアは69。

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