創部101年目 鳴門 32年ぶりの春に「うず潮打線」復活へ

2012年01月27日 15:37

野球

 32年ぶりのセンバツ出場となる鳴門(四国・香川)は今年で創部101年目を迎えた。1951年(昭26)のセンバツ優勝など、旧制撫養(むや)中時代から、春夏13度の甲子園出場を誇る。過去100年で築き上げた伝統は尊く気高いが、決して重くはない。常に進取の気風を持って「新世紀」に臨む。
 昨秋の四国大会を制覇し、センバツ切符に大きく前進。県・四国大会全8試合で78得点、チーム打率4割超の強力打線がその原動力となった。

 61年前に甲子園を席巻した「うず潮打線」をほうふつさせる打線をつくり上げたのは、同校OBで鳴門を率いて足かけ16年目を迎えた森脇稔監督だ。本来、指揮官の理想は「投手中心の失点が計算できるチーム」なのだが、一方で「センバツ優勝時の鳴門は打ち勝っている」と伝統に学ぶことも忘れない。スイング力向上のために始めた新たな試みが奏功し、「強打の鳴門」が目覚めた。

 15年ぶりに出場した夏の甲子園で初戦敗退を喫した一昨年の11月。鳴門の練習メニューに週2回ずつの「服部ジム」が加わった。同ジムは野球部OBの服部剛志さんが運営。外部に指導を仰ぐ手法は鳴門ではほとんど前例がなかったが、全国舞台での復権を期す指揮官は、思い切ってアームレスリング世界大会優勝経験を持つOBの手腕に強化を託した。その結果、「選手の体が大きくなったと言われるようになりました」(森脇監督)。特に体幹強化に重点が置かれ、日に日にスイングは力強さを増している。

 「部員たちには“次は君たちから新しい伝統をつくりなさい”と言っています」と指揮官。伝統に新たな血を取り入れ、「うず潮打線」の潮流を受け継ぐ鳴門。今春こそ甲子園に32年ぶりの校歌を響かせてみせる。 

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