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大谷 松井以来20年ぶり高卒新人2戦連続弾!骨折後初打席で

2013年07月15日 06:00

野球

大谷 松井以来20年ぶり高卒新人2戦連続弾!骨折後初打席で
<日・ロ>7回1死二塁、中越えに2ランを放ち、二走・鶴岡(左)とハイタッチを交わす大谷
パ・リーグ 日本ハム7―2ロッテ
(7月14日 札幌D)
 衝撃の骨折代打弾だ!日本ハムの大谷翔平投手(19)は14日、ロッテ戦の7回1死二塁で、プロ2号となる代打本塁打を放った。11日の楽天戦(Kスタ宮城)の試合前練習中に自らの不注意により打球が直撃して右頬骨(きょうこつ)にひびが入り、3試合を欠場。名誉挽回に燃え、復帰初打席で本拠地のファンの前で初めてアーチを架けた。高卒新人の2試合連続アーチは、93年の巨人・松井秀喜以来、20年ぶり。二刀流ルーキーがまた新たな伝説をつくった。

 骨折の痛みも忘れていた。笑顔でダイヤモンドを一周する背番号11に、大歓声が降り注ぐ。大谷は4日前にKスタ宮城で放ったプロ初本塁打以上の強烈なインパクトを札幌ドームに刻んだ。

 3点リードの7回1死二塁。不動の1番・陽岱鋼の代打としてコールされると、球場はどよめきと大歓声に包まれた。「僕なんかにダイさんの代わりが務まるのかなと思った」。マウンドは同姓のロッテ2番手・大谷。フルカウントからの6球目。外角低めの直球を力強く叩き、最後に右手一本で「ひと押し」した。打球はバックスクリーンのわずか左に着弾した。

 「自分のスイングができたし、フルカウントから思い切っていけました。(代打本塁打は)公式戦では初めてだと思う。やっぱりホームでの本塁打は気持ちいい」

 この3連戦は「不屈のエネルギー」を意味するバーニング・レッドの限定ユニホームを初めて着用したが、大谷の心も熱く燃えていた。11日のKスタ宮城での練習中、外野でランニングをしている際にフリー打撃の打球が顔面を直撃。「右頬骨不全骨折」と診断された。札幌に戻った12、13日も欠場し、この間チームは3連敗。テレビで試合を見つめた大谷は「100%僕の不注意。大事なベンチの1枠を空けてしまって申し訳ない。何とか取り返さないと」と誓った。

 打席前は恐怖心も頭をかすめたというが「しっかり踏み込んでいけた」結果、直前に空振りしたほぼ同じコースを完璧に捉えた。左中間への打球は大谷の持ち味だが、右手の押し込みと恐怖に打ち勝った右足の踏み込みが外角低めの球をスタンドまで運ばせた。「今までは二塁打で終わっていた。あそこに入ってくれると自分も気持ちよく振れるし、あっちの打球を増やせるように」。同時に手応えもつかんだ。

 まだ食事の際の痛みは残るというが、この3日間は麺類など柔らかいものを食べて衝撃を抑えた。この日は通常通り練習メニューを消化し、フリー打撃で快音を連発した。栗山監督は「野球をやりたくて仕方ない、野球小僧の表情に戻っていた」と出場を決断させた理由について語った。ケガだけには細心の注意を払い、骨折直後も「半分は俺の責任」と肩を落としていた指揮官をも救う大谷の一打だった。

 初本塁打の翌日に骨折、そして復帰初打席で代打弾。「ボールに当たったときはついていないなと思いましたけど、きょうこういう結果になってまだツキはあるのかな」と照れ笑いした19歳は、どこまでも規格外だ。

 ▽松井の2試合連続本塁打 高卒1年目の93年9月4日のヤクルト戦(神宮)に「7番・左翼」で 出場。4打席目の9回、先頭で山田の142キロ直球を捉え、右翼席にライナーで突き刺す5号ソロ=写真(左)。そして3日空いた8日の横浜戦(横浜)では「6番・左翼」に打順が上がり、7回に先頭で斎藤隆(現楽天)から左中間に6号ソロ=同(右)。高卒新人として88年の立浪(中日)以来の2試合連発だった。

 ≪大谷弾アラカルト≫

 ☆勝利&代打本塁打 高卒新人の代打本塁打は林(ロ)が90年6月29日ダイエー戦で記録して以来23年ぶり。日本ハムでは前身球団も含め大谷が初めて。また大谷は今季2勝。高卒新人で勝利と代打本塁打を記録したのは大谷が初。新人に限らず「勝利&代打本塁打」は71年外山(ヤ=2年目)以来42年ぶり。

 ☆高卒新人の複数本塁打 シーズン2本塁打以上は昨季高橋周(中=2本)以来で、チームでは56年山本4本、59年張本13本に次ぎ54年ぶり3人目。勝利を挙げた高卒新人の2本塁打は56年米田(阪急)、66年堀内(巨)と並ぶ最多タイ。

 ☆2戦連発 大谷は7月10日楽天戦に続くアーチ。高卒新人の2戦連続アーチは93年松井(巨)以来20年ぶり。プロ初アーチから2試合以上続けたのは2リーグ制後では57年醍醐(毎日=2試合)、68年江島(中=3試合)に次いで3人目。

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