イチロー6月はマルチ率・778 マ軍“影の首位打者”に

2016年06月23日 05:30

野球

イチロー6月はマルチ率・778 マ軍“影の首位打者”に
<マーリンズ・ブレーブス>延長10回、遊撃内野安打を放ったイチローは一塁手・フリーマン(右)に声をかけられ笑顔
ナ・リーグ マーリンズ2―3ブレーブス
(6月21日 マイアミ)
 驚異のマルチ率・778だ。マーリンズのイチロー外野手(42)は21日(日本時間22日)、ブレーブス戦に「1番・中堅」で先発出場。4打数2安打1四球で、メジャー通算3000安打まであと18とした。2安打はピート・ローズのメジャー記録を日米通算で上回る4257安打に到達した15日以来。6月の打率は・413で、先発9試合で7度目のマルチ安打。新たな金字塔に向け、メジャー現役最年長野手の勢いは止まらない。

 背番号51が最後まで見せ場をつくった。1点を追う延長10回。イチローは先頭でブレーブスの守護神・ビスカイーノから遊撃内野安打を放った。86マイル(約138キロ)のスライダーが内側に入ってくるところを体の右サイドに壁をつくり、バットを内側から振り抜いて逆方向へ転がす。お得意の技だ。奮闘むなしく、チームは敗れて3位のままだったが、プレーオフ争いを続ける中で欠かせない存在となっている。

 最後が「柔」なら、5回は「剛」だ。ノリスの95マイル(約153キロ)直球を痛烈に中前にはじき返した。「僕の場合、ヒットになれば何でもいい。打球のスピードなんて関係ない」と常日頃から笑い飛ばす男が、剛柔合わせ技でマルチ安打。6月は8試合を残した時点で、早くも19安打とし、4月の10安打、5月の18安打から大きく上乗せした。月間打率は・413。さらには9度の先発出場でマルチ安打は7度目。マルチ率は・778だ。

 本拠地10連戦の5戦目。ドン・マッティングリー監督は「主力には順番に休養を与える」と説明し、前日は正左翼手イエリチ、この日は前日2本塁打の正中堅手オズナに休養を与え、イチローは2試合続けて先発起用された。指揮官が「このチームに完璧にフィットしている」と説明する「スーパーサブ」の安打製造機がいるからこそ可能な用兵である。今後も正右翼手の主砲スタントンら主力選手に休養を与える予定で、イチローの先発出場の機会は増える。

 開幕前、地元メディアはイチローの今季の打席数を200前後と予想していた。早くも151打席で47安打。規定打席にこそ達していないが、打率・353、出塁率・427はいずれも野手ではチームトップだ。71試合を消化し、想定を大きく上回る出場機会を得ている。メジャー通算3000安打まであと18。球宴まで残り17試合あり、前半戦中に届くことも可能だ。「ローズ超え」の会見でメジャー3000安打について「それに出合わないと分からないこと」と言った。達成時、42歳はどう感じ、どんな言葉を残すのだろうか。(マイアミ・笹田 幸嗣通信員)

 ≪6月得意打率・326≫イチローのメジャー16シーズンの月別打席成績で見ると、6月の月間打率はトップの5月の・334に次ぐ・326。月間本塁打は8月と並ぶ最多22本だ。日本時代は6月の月間打率が・383でトップ。2番目の7月の・371を上回り、月別で最高の数字を残している。

おすすめテーマ

2016年06月23日のニュース

特集

野球のランキング

【楽天】オススメアイテム