金本監督 高山に盗塁指令 打つだけじゃダメ「横着させません」

2016年10月12日 10:16

野球

金本監督 高山に盗塁指令 打つだけじゃダメ「横着させません」
アップで必死にダッシュする高山 Photo By スポニチ
 打つだけじゃない。走れ!阪神・金本知憲監督(48)が甲子園球場で行っている秋季練習3日目の11日、高山俊外野手(23)に対し機動力アップ指令を出した。来季に期待する数字として「3割、20本、80打点」を挙げた上で「走塁と盗塁の意識も持ってほしい」と、具体的な数字こそ明言しなかったが「20盗塁」を目安にしていることを示唆した。
 高山に求めるのは、打つことだけじゃない。金本監督が「足は速いから」と認めるように、50メートル走5秒8の俊足の持ち主。そのスピードを宝の持ち腐れにしていては、もったいない。指揮官は、来季の高山に、打力はもちろん、機動力でも大きな期待を寄せた。

 「クリーンアップは打ってほしいね。ただ彼は打つだけじゃなく、やっぱり走る方でも。走塁と盗塁の意識も持ってほしい。もちろん打率とか本塁打数の要望もある。甲子園は広いから左打者はアレ(厳しい)だけど、20本は打ってほしい。当然3割で、3割20本。打点も80くらいは挙げてほしいね」

 希望は3割、20本、80打点…そして20盗塁だ。高山に期待する盗塁数を問われた指揮官は「30はちょっといきなりね…」と自嘲気味に話した。ということは「20盗塁」ならクリア可能と判断していることを意味する。阪神の野手で「3割20本80打点20盗塁」を記録すれば「初代ミスタータイガース」藤村富美男が1950年に記録して以来、2人目の偉業となる。走攻守三拍子を兼備するのが野手の理想。「足は速いから。意欲も多少ある。もうドンドン。もっと意欲を持ってほしい。横着させませんよ」と指揮官も背中を押す算段だ。

 伸びしろもある。1メートル81、86キロと恵まれた体格だが、まだ成長の余地あり。「バランスは良いと思うけど、要は強さ。ちょっとポッチャリしているのかな。だから脂肪が、ちょっと多めな部分があるかもしれない。それをうまく筋肉だけに替えて。同じ体重で。脂肪を筋肉に替えていけば、もっとスピードも出る」と指揮官。さらに足が速くなる可能性をも秘めているというわけだ。

 高山も乗り気だ。1年目の打率・275、8本塁打、65打点という成績を「全部、中途半端だった。打率は3割に届かず本塁打も2桁に行かず。新人ということで騒がれたりもしましたが、来年も今年と同じ数字では評価はされない」と冷静に分析。その上で5盗塁に終わった盗塁数に関して「足も本当に遅いわけじゃないと思うので、いろいろ研究もしながら盗塁できるように。今年は度胸が無くて走れませんでしたが、2年目はそういうところ(緊迫した場面)でも走っていかないといけないと思っています。練習するしかないです」と意欲を示した。

 広島時代の00年に打率・315、30本塁打、30盗塁の「トリプルスリー」を達成した金本監督の下、高山も打って走れる主軸を目指す。     (惟任 貴信)

 ▽阪神で年間20盗塁以上 2リーグ制以降では16選手で延べ45度。直近では14年に上本が20盗塁ちょうどをマークしている。個人最多は吉田義男と赤星憲広の9度で、赤星は新人の01年から9年連続。赤星以前では89年の大野久(22盗塁)までおらず、チームが長く低迷した90年代には90年和田豊の17盗塁が個人最多だった。

おすすめテーマ

2016年10月12日のニュース

特集

野球のランキング

【楽天】オススメアイテム