侍J 力負け…動く球に対応できず 中田「メジャーの選手は素直に凄い」
2017年03月23日 05:30
野球
![侍J 力負け…動く球に対応できず 中田「メジャーの選手は素直に凄い」](/baseball/news/2017/03/23/jpeg/20170323s00001004001000p_view.jpg)
「あれだけの選手たちがなかなか芯で捉えられない。メジャークラスの動くボールの対処は難しいと感じた」
雨中決戦。初回無死一塁から菊池が犠打で送ったのも、コールドゲームも想定して先手を取るためだった。しかし、先発ロアークの特徴であるツーシームは鋭く、重い。変化の幅も想定以上で、その球に絞っても凡打を繰り返した。5回以降は速球派、カットボーラーら特徴あふれる救援陣の継投に自分の打撃をさせてもらえない。1点を追う8回2死一、二塁。「USAコール」と「ニッポンコール」が飛び交う中、頼みの4番・筒香はサイドスローの変則右腕ニシェク(フィリーズ)の前にタイミングを外され、右飛に倒れた。
青木、筒香、中田のクリーンアップは無安打。2度の得点圏で凡退した4番は「打てなかったのは僕の技術不足」と責任を背負った。5番の中田は「メジャーの選手は素直に凄いと思った。ツーシームをあれだけ動かせるピッチャーは日本にはいない。勝利に貢献できず情けない。本当にこういう結果で申し訳ない」と完敗を認めた。2次ラウンドまで6戦全勝で10本塁打、46得点。平均7・7得点で打ち勝ってきた自信は、小久保監督が「(2次ラウンドまでの投手よりも)威力やスピードがワンランク上だった」というメジャーの投手たちに打ち砕かれた。
得点は菊池のソロのみでわずか4安打。06年の第1回大会から最少だった。決勝点を許した8回は失策にはならなかったが、三塁・松田のファンブル。1点もやれない重圧はミスを誘発した。個の戦いで劣勢を強いられ、守り勝ってきた緻密さまでが揺らいでしまった。
試合終了後。ロッカールームで開かれた最後のミーティングで小久保監督は「敗戦は監督の責任。胸を張って帰ろう」と呼びかけた。東京五輪は3年後、次回WBCは4年後に控える。各選手が個の強さを身につけるにはどうしたらいいか。指揮官は「動くボールへの対応はずっと言われていますが、ただ(日本の)リーグがフォーシーム(直球)主体。どこで訓練するのか」と問題提起した。今後、球界全体で取り組む課題でもある。
メジャーリーガーの参加は青木だけ。投打で期待された大谷(日本ハム)も故障で辞退した。ベストメンバーではない中で、一体感を武器に戦ってきたが、世界は甘くなかった。筒香は「足りない部分、新しい発見、感覚。大会を通じて新たに成長できるチャンスをいただいた。国を背負って戦うことは見ている方や子供たちに夢、生きる活力を与えること」と目線を上げた。1点の重みを味わい、新たな覚悟が芽生えた。 (倉橋 憲史)
≪4安打は4大会最少 中軸3人無安打は31戦目で初≫日本が13年に続き準決勝で敗退した。準決勝の米国戦は打線がわずか4安打。09年1次ラウンド中国戦の5安打を下回る日本最少で、3〜5番の中軸3人が無安打に倒れたのは通算31試合目で初めてだ。ただ菊池の本塁打で日本は今大会11本目。06年の10本を上回り最多となった。
おすすめテーマ
2017年03月23日のニュース
特集
野球のランキング
-
西武 おかわり、第4打席で待望1号「打たないより打った方がいい」
-
楽天 岸、開幕へ順調 5回1失点 気負いなし「やることは変わらない」
-
帝京五 歴史的1点も悔やむ小林監督 自身は85年準Vも「違う感覚だった」
-
作新学院、夏春連覇に向け「敵は自分たち」2回戦は昨年春夏4強秀岳館
-
-
巨人 高木元投手の復帰申請提出 NPB、調査委で精査へ
-
延長でのタイブレーク制 米メディアは否定的「試合の価値を落とすもの」
-
作新学院 夏春連覇へ貫禄の9点爆勝発進 元ロッテ小林監督の帝京五勝利飾れず
-
中南米の野球は子供に悪影響?WBC米国代表「感情表現違って当然」
-
WBC決勝で快投 ストローマンが大会MVP プエルトリコへのリベンジ果たす
-
WBC悲願の初V!メジャーの名将も感無量「米国に尽くした人間の勝利」
-
早実・清宮「最高の状態」、24日明徳義塾戦 前日調整で柵越え連発
-
米国、圧勝でWBC初優勝 ストローマン快投、プエルトリコを零封
-
秀岳館 打線爆発11得点で初戦突破!5回に一挙7得点 8番幸地が満塁弾
-
楽天・安楽 ローテ入りから一転、開幕絶望的に…練習中に右大腿痛める
-
ヤクルト公認サポーター 楓、中村星来、坪井ミサトが笑顔で意気込み
-
日本ハム 17年ガイドブックで大谷&有原&高梨“若き三本柱”が対談
-
福井工大福井 41年ぶり選抜初戦突破!強豪・仙台育英に逆転勝ち
-
巨人・中井 伝説の大投手に誓った活躍 地元の声援をパワーに変えて
-
マー君、打たせて取って5試合連続無失点「内容は良くなかった」
-
阪神・糸原 美技でアピール 昼はマツダ→夜はヤフオクDで奮闘
-
面談重ね反省確認…巨人 高木元投手と育成契約へ
-
開幕ローテある?ソフトB松坂 右脚大丈夫!25日広島戦先発へ
-
【甲子園百景・春】滋賀学園 昨春8強の立役者が伝令で奮闘
-
【検証 侍ジャパン】編成面の課題“象徴”早々の「打者・大谷」招集断念
-
【槙原寛己 WBC視点】メジャーリーガーの追加招集を探れなかったのか
-
【石井一久 WBC視点】砂利のような土部分、雨に濡れた芝…菊池責められない
-
大谷 小久保ジャパン敗退に「力になりたかった。残念です」
-
侍J千賀 5Kも…初失点が決勝点「スッと入ってしまった」
-
決勝進出のプエルトリコ 地元は金髪大ブーム
-
侍J菅野 高めで米打線封じた 敵将賛辞「メジャー級の投手」
-
侍J山田「今までで一番緊張した」WBCで学んだこと
-
侍ジャパンが帰国の途に 退任意向の小久保監督「応援に回る」
-
侍J 力負け…動く球に対応できず 中田「メジャーの選手は素直に凄い」
-
侍J菊池 名手故にはまった落とし穴「反応できなかった」
-
プレーに影響あった?侍J 米国戦でリプレー検証計5度
-
米国監督 “セオリー度外視”継投で初決勝 最大のピンチで采配的中
-
侍J小久保監督 退任へ 後任候補に原氏、中畑氏、松井氏
-
侍J松田「確実にアウトだった」“魔の8回”に痛恨捕球ミス
-
一人涙…侍J内川 意地の一振りも「一発勝負で負けてしまった」
-
侍J青木 ただ一人の大リーガー「参加して良かったと思う」
-
侍J坂本 敗戦に目頭熱く「野球人生においてプラス」
-
侍J小林 自他ともに認める成長ぶり「凄くいい経験」
-
最後まで徹底 侍J 9回小刻み継投策 無失点で切り抜ける
-
【侍戦士へ球界の声】王さん「米国はWBCに対する意識変わった」
-
所属球団から球数制限も 米国ロアーク4回0封「USAコールに励まされた」
-
ラソーダ氏から野茂氏に始球式ボール 万雷の拍手注がれる
-
巨人・長野 沢村栄治氏にささぐOP戦1号 侍戦士から刺激
-
ロッテドラ1千隼 開幕ローテ微妙 伊東監督「ボール球が多い」
-
評価が…中日・鈴木 3回0封も4四球 近藤コーチ困惑
-
ヤクルト畠山 OP戦1号 故障に泣いた昨季、一塁定位置獲り前進
-
西武・栗山 3戦連続マルチ「競争に勝って良い形で開幕を」
-
ソフトB柳田 今季初守備 右肘問題なし「順調でいい感じ」
-
大和 二塁争い緊急参戦!左で1軍初安打 昨秋からスイッチ挑戦
-
楽天ドラ5森原 開幕1軍内定!OP戦5戦防御率1.50
-
DeNAドラ1浜口 開幕ローテへ及第点 ラミ監督「近づいた」
-
オリドラ2黒木 150キロ超9球 勝ちパターンでの起用も検討
-
広島・新井 5戦ぶり復帰で二塁打 右膝打撲もう大丈夫
-
福岡大大濠・樺嶋2打席連発!2年生では清原以来33年ぶり
-
創志学園 秋山→難波の継投作戦不発…夏へ成長誓う
-
東海大市原望洋のドラフト候補右腕・金久保14回で力尽く
-
滋賀学園の背番10棚原 14回192球、2失点12Kの力投
-
健大高崎11点大勝!山下が満塁弾&上野は代打弾
-
札幌第一センバツ初勝利は持ち越し 二枚看板が自滅
-
イチロー 日差し視界に入れず職人技好守!打っても二塁打
-
マー君 3年連続開幕へ細心準備「近づいてきている実感」
-
マエケン 次戦目標は「長いイニングを投げる」
-
ボンズ氏 ジャイアンツのCEO特別顧問に就任