【ドラフト総括・採点】競合制した広島、中日、ロッテは満点

2018年10月26日 09:30

野球

 【18年プロ野球ドラフト ( 2018年10月25日 )】 ドラフト会議が終了した。12球団が81選手を指名(育成除く)。入団交渉は26日から始まった。スポニチ本紙ではチーム事情を加味した上で、ドラフトを総括してみた。
 【広島=100点】

 常勝軍団を作る上で、4球団競合の末、報徳学園・小園海斗の交渉権を引き当てたことは大きい。走攻守三拍子そろった大型遊撃手。50メートル5秒8の俊足は大きな魅力だ。

 3位指名の智弁和歌山・林晃汰内野手は高校通算49発を誇る左のスラッガー。4位の市岐阜商・中神拓都も同46発の投手兼内野手、7位の神村学園・羽月隆太郎内野手も強肩堅守が魅力とそれぞれ特色が違う。現在は菊池、田中、安部、西川と内野は盤石ながらいずれも20代後半。5年後、10年後を見据えての補強が出来た。

 【ヤクルト=75点】

 1位指名を2度外すも、8人のうち投手が5人と補強ポイントに合わせた指名には成功した。5位の新日鉄住金広畑・坂本光士郎投手は左腕から繰り出すボールに力があり先発、リリーフとも可能なタイプだ。2位の法大・中山翔太内野手も週4日の筋力トレに取り組み「きんに君」の愛称を持つなど、チームに足りない右の長距離砲として期待大だ。

 【巨人=90点】

 1位指名の八戸学院大・高橋優貴投手はMAX152キロの直球だけでなく、チェンジアップ、スライダーもキレ味抜群。所属の北東北大学野球リーグでは富士大・多和田(現西武)の持つ通算奪三振記録を抜いた“みちのくのドクターK”だ。2位以下では将来性を意識して高校生を獲得。チームの底上げを図っていく。

 【DeNA=75点】

 小園は外したが、先発右腕が不足しており即戦力の東洋大・上茶谷大河投手を1位で獲得できたのは大きい。カットボール、スライダーの変化球を内外角に投げ込む制球力も大きな武器になる。左腕は頭数がそろっているだけに、一刻も早く先発ローテーション入りが待たれる。

 2位の立正大・伊藤裕季也内野手はパワーが売り。今春の東都大学リーグ戦、1位・上茶谷から放った右翼方向へ叩き込んだ本塁打は圧巻だった。高校、大学、社会人とバランス良く、補強ポイントの選手を確実に獲得できたことが大きい。

 【中日=100点】

 大阪桐蔭・根尾昂内野手の交渉権獲得に始まり、外れ1位指名を検討していた1メートル87右腕の東洋大・梅津晃大投手を2位で獲れたことも大きい。根尾はまず本人の希望を聞いた上で正遊撃手・京田と争わせる方針という。今から楽しみだ。

 3位の三菱重工名古屋・勝野昌慶投手は152キロの大型右腕だけに、即戦力として早期の1軍定着に期待する。4位の関東第一・石橋康太捕手も強肩強打を誇る守備の要として狙っていた選手だった。

 【阪神=70点】

 クジ運に恵まれず、1位は外れ外れながらドラフト戦略通り、外野補強には成功した感がある。1位の大阪ガス・近本光司外野手は今夏の都市対抗でMVPに相当する橋戸賞を獲得するなどクラッチヒッターぶりを発揮した。2位は延岡学園の小幡竜平、3位は社会人トップクラスの守備範囲を持つHonda・木浪聖也の順で遊撃手2人を獲得し、センターライン強化の方針を貫いた。欲を言えば、即戦力左腕を補強したかった。



 【西武=85点】

 今季、課題だった投手を中心に補強した。1位で安定性抜群&最速155キロの日体大・松本航投手の単独指名に成功し、2位の浦和学院・渡辺勇太朗投手も将来性十分だ。ただ、エース菊池のメジャー挑戦で手薄になる左腕は育成1位の東野葵投手だけ。支配下での左腕獲得なしは物足りなさが残った。

 【ソフトバンク=80点】

 1位指名は抽選で2度、外したが、アマ最速159キロの東洋大・甲斐野央投手の交渉権を獲得できたことは大きい。2位指名したエンゼルス大谷と同体格の2位・三菱重工広島の杉山一樹ら社会人3投手は経験豊富で早期から1軍で投げられる力がある。ただ世代交代を図るための野手の指名が2人と少なかったことは気になる。

 【日本ハム=90点】

 今夏の甲子園を沸かせた4選手を指名した。根尾は抽選で外したが、外れ1位で「金農フィーバー」を巻き起こした吉田輝星投手の一本釣りに成功。花咲徳栄・野村佑希投手、横浜・万波中正外野手はともに将来の中軸候補で、大阪桐蔭の151キロ右腕・柿木蓮投手も指名するなど将来性ある高校生を5人指名。即戦力投手として日本通運の生田目翼投手、「地元北海道枠」で福田俊投手とバランスよく指名した。

 【オリックス=70点】

 外れ1位で強肩堅守の天理・太田椋内野手を単独指名。補強ポイントである将来の正遊撃手候補を獲得は出来た。2位の亜大・頓宮裕真内野手は東都大学リーグで年間10本塁打をマークした右の長距離砲として期待大だ。

 【ロッテ=100点】

 将来のリードオフマンなりうる大阪桐蔭・藤原恭大外野手の獲得は大きかった。さらに2、3位は当面の課題だった日体大・東妻勇輔、大学No.1左腕、早大・小島和哉と即戦力投手も補強できた。チーム方針の「地元千葉枠」は6位で福浦の後輩に当たる習志野・古谷琢郎投手。満点といえそうだ。

 【楽天=80点】

 外れ1位ながら4球団競合の立命大・辰己涼介外野手は石井一久GMが引き当てた。補強ポイントの左腕は4位でSUBARU・弓削隼人、8位で富士大・鈴木翔天ら3人を指名。今季は茂木が故障で苦しんだ遊撃を守れる明大・渡辺佳明内野手の交渉権も獲得し、幅が広かった。(専門委員 伊藤幸男)

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