ファンのために!12球団“無観客”開幕の方針で一致 赤字覚悟も「野球で元気になっていただきたい」
2020年04月24日 05:30
野球
「もちろん財政的な問題は考えなければいけない。だが今は野球を通じ、皆さんに元気になっていただきたい。その気持ちの方が全球団強いということ」
1試合の入場料などの興行収入は1億円以上とされ、各球団は少なくとも年間50億以上の減収は避けられそうもない。感染状況次第で徐々に入場者を増やす青写真も描いてはいるが、終息の兆しが見えなければシーズンを通して無観客の可能性もある。同コミッショナーは「今は無観客でも、どう開幕するかという段階。(観客を)入れるという話は随分、先になるんじゃないか」と見解を示した。
無観客開催でも課題は山積する。最大のリスクは集団の長距離移動。大リーグは春季キャンプ地のアリゾナ州など1カ所に集結しての開催案も議論している。同コミッショナーは「どこか球場を数カ所決めてそこでしかやらないとか。具体的に出てないが今後は考えられていくと思う」と語り、セ・リーグ球団の幹部も「集まるとなると沖縄とか、宮崎とか」と候補地を挙げたが、球場周辺やスポーツバーなどにファンの密集を招く可能性もある。試合中に感染する可能性もゼロではなく、専門家チームの賀来満夫氏は「ベンチでもマスクをつけて会話する、なども議論されている」と明かした。
プロ野球は公共性が高く、以前から「無観客でも開催して外出を自粛するファンに楽しみを届けるべき」という声はあった。3月上旬の段階で同コミッショナーが「あり得ないに近い最後の選択肢」と語っていた無観客開催を前提に、今後は開幕時期を模索する。(後藤 茂樹)
▼楽天・立花陽三球団社長 現在の経営環境は非常に厳しく危機的状況。世の中が「3密」とうたっている中、野球だけが例外となるのは考え難い。日程の組み替えも含めて、極力移動を少なくしてやっていくのは重要。
▼中日・加藤球団代表(無観客開幕について)スポーツには見る人たちに元気、勇気を与える大きな力があると思う。無観客でも電波などを通して室内で観戦してもらえるのであれば優先したい。(屋外となる)ナゴヤ球場での開催は考えていない。体調管理に関しては最大限の工夫、対応をしていると考えている。
▼中日・京田(選手会長として)僕らからすると試合ができることに関してはいいことなんですけど、お客さんが入らないというのは残念。応援がないのとあるのでは雰囲気も緊張感も違う。決まったことなので、開幕に向けてしっかり準備していきたい。
▼ヤクルト・衣笠剛球団社長 誰しも無観客でやりたくはないけど、まずは開幕ということ。プロ野球が開幕したとなれば、他のプロ競技、アマチュアにも大きなきっかけになる。国民の皆さま方にも、少しずつ明るくなっていくなと希望的なものの具体例になるのではないか。
▼西武・飯田光男球団本部長 無観客開幕なら残念で仕方ない。そうなればファンの皆さまにはテレビ、ラジオ、ネットなどで楽しんでもらいたい。選手の移動にはリスク回避へ最善を尽くす。5月7日以降の練習予定は現時点で未定です。
▼広島・佐々岡監督 テレビを通じて元気を与えられたら。僕らにはそういう仕事もある。
▽世界のプロ野球の現状 台湾プロ野球は本来の開幕日の3月14日から2度の延期を経て、無観客での開催を条件に4月12日に開幕。韓国プロ野球は当初は3月28日の開幕予定だったが、感染拡大で延期。今月21日から対外試合を再開し、5月5日の開幕を決定した。当面は無観客での開催。また、大リーグはテキサス、アリゾナ、フロリダの3州でシーズンを開催する案が浮上したとCBSスポーツ(電子版)が報道。時期は5月中旬を目指すも、困難な状況が続いている。
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