左肘に“この野郎!” 阪神・遥人が我慢の時間乗り越え、帰ってきた

2020年08月07日 05:30

野球

左肘に“この野郎!” 阪神・遥人が我慢の時間乗り越え、帰ってきた
<神・巨(7)>今季初登板初勝利を挙げ、ウイニングボールを手に植田(左)とポーズを決める高橋(撮影・北條 貴史) Photo By スポニチ
 【セ・リーグ   阪神11-0巨人 ( 2020年8月6日    甲子園 )】 【記者フリートーク】背番号29は腕を振れる「幸せ」を誰よりも知る。プロ1年目の18年は、左肘痛でシーズンの大半をリハビリに費やした。一向に改善しない状況にストレスは蓄積。左肘をにらみつけ「“こいつ”がいるから…この野郎、この野郎!」と患部を叩いて周囲を驚かせた。
 ノースロー期間中も人目を盗んでボールを握り、取り上げられたことも1度や2度ではない。「もうダメだ。無理だ…」。止まらない弱音に当時の担当トレーナーだった土屋明洋氏から「横田は一言も弱音を吐かないぞ。遥人も見習え。明日から横田を師匠って呼べ」と“一喝”された。

 同い年で脳腫瘍からの復活を目指していた横田の背中に感じるものは少なくなかった。「自分も前を向かないと」。今年もコンディション不良で出遅れた。ただ、もう下は向かなかったはずだ。ひた向きにこの夜を目指してきたことが伝わる幸福な111球だった。(阪神担当・遠藤 礼)

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