金本知憲氏 阪神・高橋は「内角いっぱい」と「落ちる球」の対極使った究極の配球

2020年08月07日 05:45

野球

金本知憲氏 阪神・高橋は「内角いっぱい」と「落ちる球」の対極使った究極の配球
<神・巨(7)> 5回2死一、三塁、高橋は代打・陽を空振り三振に仕留める (撮影・後藤 大輝) Photo By スポニチ
 【セ・リーグ   阪神11-0巨人 ( 2020年8月6日    甲子園 )】 【金本知憲 視点】高橋は完璧だった。投げる高さが素晴らしかった。変化球はほとんどが膝付近から落ちるボール。直球は序盤、ほとんど打たれなかった。バットに当たっても前へ飛ばない。飛んでも、どん詰まりばかり。低めの直球は打者には最初ボールに見える低さから伸びてストライクに決まる。同じ低めに落ちる球もあるから余計に有効だ。
 梅野のリードも良かった。特に5回2死一、三塁で迎えた代打・陽岱鋼(ヨウダイカン)への攻めが光った。いわゆる「究極の配球」だ。初球から落ちる球と内角直球を交互に使い、最後の4球目は高めの内角直球で空振り三振に抑えた。

 勝負どころでは、普段ならカウント球となるスライダーや外角直球は省かれ、対極となる「内角いっぱい」と「落ちる球」のどちらかに行き着くもの。中途半端な球は挟まず、初球から全て勝負球でいった方がいい。

 高橋は相当な戦力になることを改めて印象づけた。監督時代に気を使ったのは起用方法だ。今季も出遅れたように課題はコンディションの維持。長期にわたって離脱されるのが一番困る。当面は登板ごとに一定の間隔を空けることも手かもしれない。

 巨人が見せた野手の登板。メジャーではたまにある事らしい。8回1死で0―11。連戦中で新しい投手を使いたくない気持ちは分かる。阪神の監督時代に同じことをやっていたら、周りから何を言われたことか。監督として文句を言わせない実績を積んできた原監督だからできることだろう。

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