【藤川球児物語(45)】矢野監督を優勝させたい 決死の覚悟
2020年12月28日 10:00
野球
「最下位の責任は自分たちにある。自分の力をはっきりさせたい。チャレンジして、自分に勝ちたい。そういう思いでクローザーを目指す」
前監督・金本知憲も矢野も、かつてはともに戦った仲間だ。修羅場を一緒に乗り越え、05年には感動の美酒を味わった。2人に対しては特別な関係ということを意識してきた。「迷惑だけはかけられない。何があっても自分で解決しないといけない。受け止められなかったら、監督に行ってしまう。監督の責任にできない」と覚悟も固めていた。
19年、開幕からの抑えはドリスが務め、4月に再調整のため抹消された藤川だが、覚悟通りにブルペンを支えた。前半戦18試合連続無失点と結果も残し、7年ぶりのオールスター出場も果たした。7月13日の甲子園での第2戦ではオール直球の12球勝負で9回を3者凡退。「ファンのいい思い出が作れたら、それでいい」と笑顔を見せた。この12度目の球宴登板が最後の夢舞台になるのだ。
笑顔の裏側には秘めた苦悩があった。肩、ヒジは慎重にケアを続ける必要があった。パフォーマンスも満足いくものが出せないことが増えたと感じていた。「いつつぶれてもいい」という思いと、「矢野監督を優勝させたい」と続けた必死のコンディショニング。4月の抹消時には球団と引退の話し合いを持っていたことが後に明らかになった。慰留をされたが、限界が近づいたことを藤川も悟っていた。
鳥谷敬の阪神ラストシーズン。チームは終盤に結束した。広島とのCS争いを制し、甲子園が沸いた。藤川も56試合登板で防御率1・77と貢献した。CSでもDeNA、巨人とそれぞれ2試合に登板し、無失点。シリーズ出場は果たせなかったが、やりきった手応えはあった。「もう1年頑張ってくれ。20年こそ優勝しよう」。監督・矢野の言葉に藤川はうなずいた。 =敬称略=
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