【新春対談 大野豊氏―広島・佐々岡監督(下)】長打力不足を痛感「クロンには期待している」

2021年01月04日 09:00

野球

【新春対談 大野豊氏―広島・佐々岡監督(下)】長打力不足を痛感「クロンには期待している」
【広島 新春対談】佐々岡監督(左)と大野豊氏 (撮影・奥 調) Photo By スポニチ
 大野 個別に聞かせてもらいますが、まずは投手陣。誤算が多かった昨季にあって、森下の働きが光った。
 佐々岡 ドラフト前に映像を見て一目ぼれしましたからね。

 大野 新人王は当然。彼がいなかったらどうなったか(笑い)

 佐々岡 (苦笑し)大瀬良の故障離脱やK・ジョンソンの不振は全くの想定外。最後までルーキーが引っ張ってくれた感じですね。

 大野 九里の頑張りも目立ったね。

 佐々岡 3月開幕ならどうだったか…ですが、オープン戦で2軍に落とした時は悔しかっただろうし、そこから奮起してよく頑張ってくれたと思います。

 大野 遠藤、床田あたりも同様に…。

 佐々岡 彼らも春先から全く調子が上がらなくて、延期が幸いしたと思います。3月開幕なら1軍で投げられていたかどうか。

 大野 名前の挙がったメンバーを中心に先発ローテーションを組むと思いますが、今年のルーキーも6人中5人が投手でした。

 佐々岡 1位から3位までの栗林、森浦、大道は即戦力を期待して獲った投手ですが、入団発表の時の彼らの決意を聞くと、先発でもリリーフでもいける…と。心強いし、頼もしく感じますね。

 大野 実際の起用法はキャンプで?

 佐々岡 ま、そうですね。先発が6人そろうか…とか、中継ぎの強弱などバランスを考えて決めたいと思います。栗林は基本先発だと思いますが、あの投球なら後ろでもイケるんじゃないか。左の森浦にしても、中で貴重な存在になり得るのかな…と考えたり。

 大野 あと大道。投げっぷりがいいね。

 佐々岡 スライダーの切れがいいですね。ほんと楽しみです。

 大野 救援陣にも塹江、ケムナ、島内と若手が台頭してきた。

 佐々岡 塹江やケムナは、去年の経験がプラスになればいいな…と。島内も、変化球がしっかり制球できればセットアッパーを担える素材だと思います。

 大野 クローザーは誰に任せる?

 佐々岡 フランスアが去年のような入りではなく、終盤のような投球を春からしてくれれば…ですね。

 大野 外国人選手の働きは各チームとも比重が大きい。去年はほとんど戦力にならなかった。痛いよね。

 佐々岡 助っ人の力は、打者を含めて不可欠なので。右のネバラスカスは先発、左のバードは中継ぎで考えていますが、今年は期待したいと思いますね。

 大野 野手陣はチームアベレージこそリーグ2位だけど勝ちにつながる1点がなかなか取れなかった。引き分け(12試合)が多く、僅差の試合で勝ち切れないイメージ。

 佐々岡 確かにもう1点取っていれば…という試合が昨季は多々ありました。改善するのに、秋は逆方向に打つ練習を継続しましたし、変化球のモロさを解消する工夫も凝らしていた。勝負強さを磨く必要があります。

 大野 頻繁な打順変更も気になった。

 佐々岡 打順を固定して、足を使うカープ野球をやりたかったんです。3連覇した時のように田中広、菊池涼が1、2番で機能してくれれば一番だったんですが、春先に調子が上がらず、組み替えざるを得なかったのが実情ですね。西川も状態がいまひとつで…。

 大野 誠也3番というのは?

 佐々岡 西川が故障したので、いい打者を早めに打席に立たせるという思いで3番に。

 大野 今季は?

 佐々岡 打線の軸なので、3番を任せられる打者がいれば、4番・誠也でいいと思います。ただ、新外国人のクロン。彼に4番を打つ雰囲気や実力があれば、3番に誠也でもいいかな…と。相手は嫌がるでしょうし。

 大野 助っ人次第で相当に厚みが出る。

 佐々岡 機動力は当然必要なんですが、長打力がある打者の重要性を昨季は痛感しましたから。クロンには期待しています。

 大野 捕手の起用はどう考える?

 佐々岡 昨季は会沢の体調などで併用しましたが、基本は会沢中心です。ただ坂倉も成長していますから。

 大野 昨季は若手を数多く抜てきした。チーム内の競争が激しくなりそうですね。

 佐々岡 外野の争いは特にそうですね。ベテランの長野がレギュラーに意欲をみせていますし、そこに大盛や宇草が割って入り、出てくるようならチームとして面白いな…と。

 大野 若手を起用すれば、これまで出ていた選手が休むことになる。あるいは田中広や菊池涼らの打順を下げた時。監督はコミュニケーションをどう取ったんですか? 気を使ったのでは?

 佐々岡 打順の変更は、打撃コーチが選手とまず話をする形を取っていました。僕が言葉を加えることもありましたが、気を使ったというか、今季はもっとコミュニケーションを取ろうと思います。

 大野 うん。投手出身だけに、投手には厳しくて話もできると思うけど、野手には足りない感じがする。

 佐々岡 そうですね。野手には遠慮があったと思います。

 大野 監督ですから遠慮せず、自分の考えをどんどん伝えていいと思うんですよ。そこからまた一体感が生まれると思うので。

 佐々岡 はい。

 大野 2年目は、目指す佐々岡野球に色づけして頑張っていただきたいと思います。

 佐々岡 しっかり頑張りたいと思います。

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