21世紀枠の只見 雪深いおらが町に感謝の白星を 対戦相手は注目の大垣日大

2022年03月05日 05:30

野球

21世紀枠の只見 雪深いおらが町に感謝の白星を 対戦相手は注目の大垣日大
オンライン取材でパソコン画面に向かう只見・長谷川清之監督(左)と吉津塁主将 Photo By 代表撮影
 【18日開幕 第94回選抜高校野球大会 組み合わせ決定 】 対戦相手は「サプライズ選出」となった大垣日大。21世紀枠で春夏通じて初出場する只見(福島)の吉津塁主将(2年)は、「投手力、守備力ともレベルが高い。雑誌などを見て、相手の情報を調べていかないと」と初々しく抱負を口にした。
 奥会津に位置する只見町は、生活に支障が出る「特別豪雪地帯」に指定されている。今年は例年以上の積雪に苦しんだ。現在も、学校のグラウンドは雪に覆われたまま。工夫を凝らして練習を続けてきた。「土のグラウンドで練習できなくても、秋までの課題をこの時期に修正できる」と吉津主将。雪上ランニングで下半身を強化したほか、課題の打撃は屋内駐輪場でのトス打撃を駆使し、芯で捉える感覚を養ってきた。

 2月以降は土のグラウンドで実戦形式の練習を再開。只見町からバスで片道4時間かけて移動し、楢葉町内の球場でシートノックやフリー打撃を行ってきた。長谷川清之監督は「まだ投手のスピードに対応し切れていない」としながらも「守りからリズムをつくる試合ができれば」と意気込む。町内では多くの建物の外壁に、甲子園出場を祝う横断幕。練習先の球場ではバックスクリーンに「祝 甲子園出場」と映し出され、吉津主将は「町の至る所で“只見高校おめでとう”の言葉を見かけて、うれしい」と感謝を口にした。

 2月4日に始めたクラウドファンディングでは県外からも寄付が集まり、約2週間で目標金額の500万円に到達。支援の輪は全国に広がっている。長谷川監督は「決まった日程に合わせてベストな状況を整えたい。只見らしい野球がしたい」と誓った。地元の支援に背中を押され、聖地で白星をつかむ。(後藤 光志)

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