米国での勉強の成果は… 今から楽しみ ロッテ・吉井ピッチングコーディネーターの“恩返し”

2022年04月15日 09:00

野球

米国での勉強の成果は… 今から楽しみ ロッテ・吉井ピッチングコーディネーターの“恩返し”
ドジャースにコーチとして”短期留学”していた吉井理人氏 Photo By スポニチ
 今季開幕前、フロリダ、アリゾナで多くのチームのキャンプ地を回り、大谷翔平、鈴木誠也、ダルビッシュ有といったメジャーリーガーたちの調整ぶりを間近に見ることができた。それと同時に、ドジャースに“短期留学”していたロッテ・吉井理人ピッチングコーディネーターの話をじっくりと聞けたことも印象深い思い出になっている。
 現在の筆者はニューヨークのクイーンズ地区在住。この仕事を始める前には、メッツにも所属した吉井投手の現役時代の投球を既に壊されたシェイ・スタジアムで観た経験もある。そんな話をすると、吉井コーディネーターは静かに微笑み、今回、自身が再渡米した経緯を生き生きとした表情で説明してくれた。

 「自分がプレーした頃からもう20年くらい経つのかな。メジャーもだいぶ変わっていると思ったので、本当はメジャーキャンプに行きたかったんです。ただ、(ロックアウトのおかげで)予定していた期間に始まりそうになかったので、マイナーキャンプが始まったタイミングでマイナーを見ようということになりました」

 ご存じの通り、ドジャースは2020年に世界一に輝き、過去にワールドシリーズを7度も制した超名門球団。米球界の最先端をいく球団を視察し、独自のシステムやトレーニング方法などを学ぶことが主な目的だったという。

 クレイトン・カーショー、ウォーカー・ビューラーらの投球を見て刺激を受けたという話はしてくれたが、数週間の滞在中に指導者として具体的に何を吸収したかはやはり明かしてもらえなかった。それでもアメリカ独特の選手、首脳陣間のコミュニケーションについては、こんなヒントをくれた。

 「日本の場合、教える側主導のミーティングをやっているんですけど、こっちは選手とコーチが同等の話し合いができる。それは選手にとってはいいことなんじゃないかなと思います」。こういったアメリカにおける上下関係の隔たりのなさはよく知られた話であり、吉井氏も現役時代に経験していたはずだ。それでも指導者になったあと、改めて体験すると思うところがあったのだろう。何より、あくまで現状を知ろう、学ぼうという姿勢は一貫しているように感じられた。

 「(指導者も)いろんな勉強しないとやっていけない。もちろん昔の経験も凄く大事なんですけど、それ以外の知識もしっかりと取り入れてやっていかないと無理。日本のコーチもしっかり勉強していかないといけないと思っています」

 アメリカでの勉強の成果は、いったいどんな形で明かされるのか。留学期間中に吉井コーディネーターが何を手に入れたかは、今後のロッテの方向性から少しずつ見えてくるのかもしれない。そして、新たに侍ジャパンの投手コーチにもなった吉井氏が、来年のワールドベースボール・クラシックでアメリカにどんな形で“恩返し”をしてくれるかが今から楽しみでもある。(記者コラム・杉浦大介通信員)

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