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ロッテ・朗希、2戦連続完全の大偉業ならずも「納得」8回降板 投手コーチが察知したわずかな異変

2022年04月18日 05:30

野球

ロッテ・朗希、2戦連続完全の大偉業ならずも「納得」8回降板 投手コーチが察知したわずかな異変
<ロ・日>8回、野村から三振を奪いベンチに戻る佐々木朗(撮影・長久保 豊) Photo By スポニチ
 【パ・リーグ   ロッテ0―1日本ハム ( 2022年4月17日    ZOZOマリン )】 これもまた、「令和の怪物」の伝説の一ページだ。前回の登板で完全試合を達成したロッテ・佐々木朗希投手(20)が17日、日本ハム戦で8回まで14奪三振で走者を許さず、両軍無得点のまま9回から交代した。試合は延長10回の末、0―1で敗戦。プロ野球でも大リーグでも達成されていない2試合連続の完全試合はならなかったものの、満員のZOZOマリンで躍動した右腕が、今後のさらなる歴史的快投を予感させた。
 2万9426人の感情が詰まっていた。8回2死。佐々木朗はここまで打者23人をパーフェクト、いや、完全試合を達成した10日のオリックス戦から打者50人をなで斬り続けた。51人目、野村への2球目だ。161キロ直球を右翼線へ運ばれた。

 スタンドからは「うわぁー」と悲鳴。ライナーがわずかにライン外側のファウルグラウンドで弾むと「うぉー」と安堵(あんど)の息が吐かれた。2試合連続の快挙を見たい。誰もが願った。ただ、マウンドの右腕は冷静だった。

 「僕はファウルと思った。風に助けられたかもしれないけど、フェアだったら二塁打なので、危なかった」

 102球目。この日最速タイの163キロで、14個目の三振を見逃しで奪った。場内からは万雷の拍手。あと1イニング投げれば、前人未到の2試合連続完全試合の可能性は残ったが、0―0のまま、この回で交代した。17回パーフェクトも聞いたことはないが、8回完全投球で降板も超異例。どよめきも起こった。それでも佐々木朗は「疲れている部分があったし、納得する形で降りました」と振り返る。

 試合前のブルペンでは制球が乱れた。試合のイニング間にコミュニケーションを取った木村投手コーチは「6回ぐらいから球がちょっと暴れ始めた」とわずかな変化を察知。「肩、肘は問題ない」と話す佐々木朗に、木村コーチが「本来の球じゃないように見える」と指摘すると「分かっています」との返答だった。「7回あたりで交代と思ったが、もう1回、よく頑張ってくれた」と、決断の舞台裏を明かした。

 宝刀フォークのストライク率が前回の約82%から約67%に低下しても抑えていた。20歳に記録への未練は本当になかったか。「もう1回を投げれば可能性があったけど、今日は野手に助けられた部分があった。そこ(交代)はチームが勝つためなので、自分の仕事はできたかなと思います」。表情からはすがすがしさも感じられた。

 ZOZOマリンは入団前の19年9月24日西武戦以来となる満員御礼が出た。試合前には長蛇の列。この男を見るためだ。「満員の中で投げることは初めてだったので、凄くうれしかった。最初、幕張メッセと勘違いしてるんじゃないかなって思った」。ジョークにも充実感がにじんだ。

 今季ここまで打者101人と対戦して半分以上にあたる56三振を奪い、被安打は7本しかない。まだ3年目。再び連続完全試合を狙える機会は、果たして――。「いや、チャンスはもうないんじゃないすか」と屈託なく笑った。とはいえ、3日の西武戦から打者52人アウトは継続中。誰も見たことがない、さらなる領域へ、踏み込んで行きそうな気さえする。(横市 勇)

 《日本新17イニング連続無安打》佐々木朗(ロ)は8回までパーフェクト投球で降板。前回10日オリックス戦で完全試合を達成してから17イニング連続無安打に抑えた。これまでノーヒットノーラン(完全試合含む)を挟んで最も無安打を続けたのは48年真田重蔵(大陽)の16イニング連続。9月4日阪神戦4イニング、6日阪神戦9イニング(ノーヒットノーラン)、9日急映戦3イニングと続けたもので佐々木朗は74年ぶりに更新した。

 《8年ぶり延長で無安打無得点逃す》ロッテは10回無死から3番手・西野が初安打を許し、継投によるノーヒットノーランを逃した。延長戦でノーヒットノーランを逃したのは14年5月31日巨人戦のオリックス以来8年ぶり。継投によるノーヒットノーランは過去5度あり、最近では延長戦なしの規定があった昨年8月15日の日本ハム戦でソフトバンクが6人リレー(△0―0)で達成している。

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