赤星憲広氏 近本にしかできなかった8回の走塁 「当たり・ゴー」のギャンブルスタートのような好反応 

2022年09月03日 07:15

野球

赤星憲広氏 近本にしかできなかった8回の走塁 「当たり・ゴー」のギャンブルスタートのような好反応 
赤星憲広氏 Photo By スポニチ
 【セ・リーグ   阪神2ー2巨人 ( 2022年9月2日    甲子園 )】 【赤星憲広 視点】走攻守で改めて近本の存在の大きさを感じた。守備では5回。2死一塁から丸の中前打を処理し、三塁へのワンバウンド送球で一走・坂本の進塁を阻止。決して肩は強い方ではないが、その“弱点”を十分に補うことができている。
 打球へのチャージやスローイングが明らかに速くなり、送球の正確性も向上。守備力は確実に年々進化している。当然、相手チームも同じ評価をしていて、アウトにするだけではなく、進塁の抑止力にもなっている。

 8回の好走塁も際立った。1死三塁で佐藤輝の三ゴロで三塁から本塁に突入。打者が佐藤輝で、三塁手・岡本和は遊撃寄りの守備シフトを敷いていたため、少し大きくリードを取ることはできるという好条件はあっても、平凡な正面へのゴロにもかかわらずクロスプレーになることもなく悠々生還した。

 作戦はゴロが転がった瞬間にスタートを切る「ゴロ・ゴー」のサインであったと想像する。まるで「当たり・ゴー」のギャンブルスタートのような好スタートだった。難しい瞬時の判断が求められ、近本にしかできない好走塁だった。

 打撃では2安打を記録して安打数はリーグ単独トップに浮上した。シーズン最多安打も十分狙える位置にあり、盗塁数もトップをキープ。獲れるタイトルは確実に獲得しなければいけない。コロナ復帰後も走攻守においての存在感は健在。やはり近本の代わりはない。そう再確認させられた。(スポニチ本紙評論家)

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