「考えられることは全てやった」広島・大瀬良が2軍で過ごした20日間 見事に直球の切れ復活

2022年09月03日 04:45

野球

「考えられることは全てやった」広島・大瀬良が2軍で過ごした20日間 見事に直球の切れ復活
<広・D>スタンドの声援に手を振る大瀬良(撮影・椎名 航) Photo By スポニチ
 【セ・リーグ   広島2ー0DeNA ( 2022年9月2日    マツダ )】 広島・大瀬良大地投手(31)は2日のDeNA戦で7回無失点と好投し、7月1日以来の白星となる8勝目を挙げた。再調整で2軍に降格後、実戦登板を経ずに中20日で与えられた1軍復帰登板。4年ぶりのクライマックスシリーズ(CS)進出が厳しい状況に追い込まれた中、ナインを鼓舞する快投でチームの連敗を3で止めた。
 大瀬良は、2軍で実戦に登板することなく1軍に呼び戻された。理由は明白。土俵際に追い込まれたチームを一日でも早く救うためだった。

 「“いくぞ!”とチームに伝わればいいと思った」

 初回に147キロを計測したように、序盤から力を制御せずに飛ばした。7回に投じた直球は143キロ。余力を残さなかったと言える92球の力投は、ナインを勇気づけるのには十分な内容だった。

 「本当に迷惑ばかりかけた。ホッとした気持ちです。何よりもチームが勝って、明日以降にどんどんとつながっていく試合になったことが一番」

 2軍で過ごしたのは20日間。体の回復に重きを置くだけでなく、強度の高いトレーニングにも時間を割いた。投球フォームは左肩の開きを抑えられるように修正し、硬くなっていた筋肉は柔軟性を取り戻せるように取り組んだ。「考えられることは全てやった」。その結果、手に入れたのは直球の切れ。佐々岡監督は「球が生きていた」とうなずいた。

 だからこそ、相手を押し込む本来の姿が随所に見て取れた。初回2死一、二塁では宮崎を初球の直球で二ゴロ。4回1死一、二塁でも柴田、嶺井をいずれも直球で凡飛に仕留めた。これで、DeNA戦は自身4勝目。2年連続となる同戦の勝ち越しも決めた。

 「自分の感覚に近い投球をすることができたと思う。“調整登板もなく上がってきて大丈夫?”と思って見ていた人もたくさんいるとは思うけど、結果で応えるしかなかった」

 再調整で降格したのは今季2度目だった。今回はシーズン最終盤での離脱。その間にAクラスは遠くにかすんでしまった。「(自分が登板する試合は)全部落とせない。残りの試合もチームの勝ちに貢献したい」。残り18試合。逆転でのCS進出へ奇跡を起こすべく、ナインを奮い立たせる復帰戦となった。(河合 洋介)

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