U18侍・浅野「小さいのにビッグパワー」 全30球団メジャースカウト驚かせた2安打2打点

2022年09月11日 04:00

野球

U18侍・浅野「小さいのにビッグパワー」 全30球団メジャースカウト驚かせた2安打2打点
<イタリア・日本>初回、先頭打者で二塁打を放ち塁上でガッツポーズする浅野 Photo By スポニチ
 【U18W杯1次ラウンド   日本6ー0イタリア ( 2022年9月9日    エド・スミス・スタジアム )】 9日(日本時間10日)に開幕し、高校日本代表が1次ラウンド初戦でイタリアを6―0で破り、白星スタートを切った。今秋ドラフト1位候補の浅野翔吾外野手(3年=高松商)が「1番・左翼」で出場し、初回、左翼線二塁打を放ち先制の生還を果たすなど2安打2打点。メジャー全30球団のスカウトも日本が誇る高校生No・1スラッガーを高く評価した。
 雨のために試合開始が1時間10分も遅れても、浅野の集中力が切れることはなかった。初回先頭。4球目、外角高めを思い切りのいいスイングで左翼線へ引っ張った。勢い余って足を滑らせ、打席で転倒したが、悠々と二塁へ到達。あいさつ代わりの二塁打だった。

 「(2番)赤堀と(3番)松尾に、松尾の打席でランナー二塁以上で回そうと話していた。最高の形で回せて良かった」

 初球から2球連続で空振り。タイミングが合わず首をかしげたが、適応力の高さを見せた。「2球空振りして、スイングが大きかったので、少しフォームを小さくした。ミート中心にしたことが結果につながった」。1死三塁となり、松尾の右犠飛で先制のホームを踏んだ。

 これだけでは終わらない。2回1死満塁では、スライダーに泳がされ、バットを折られながら左前へ運んだ。2点適時打でこの回5得点のビッグイニングに貢献。7回制で行われる同大会では理想的な序盤での大きなリードにつなげた。

 ネット裏に集結したメジャー全30球団のスカウトらも、身長1メートル71の小さな侍スラッガーに驚きを隠さなかった。フィリーズのオネリ・フリータ氏は「高校通算67本塁打だって?ワンダフルだ!スピードもあるし、小さいのにビッグパワーだ」と称賛。日本から12球団で唯一視察し、ドラフト1位指名の可能性もある巨人の岸敬祐スカウトも「うまく対応できていた。相手の(球の)スピードが上がって、どこまで対応できるかを見たい」と評価した。

 慣れない木製バットでの大会。逆に浅野の対応力の高さが見えた。8月31日の大学日本代表との壮行試合では4打数無安打。その反省から足を上げて力強さを増したフォームに改良。わずか10日で迎えた大会本番でいきなり2安打の結果につなげ「国内では全然、打てていなくて不安はありましたが、結果が出たので、少し安心したというか、状態は悪くない」とうなずいた。

 馬淵史郎監督も「初回に1点取れたから楽に試合ができた」と1番打者としての期待通りの活躍を称えた。メジャースカウトにも印象づけて初戦突破。初の世界一へ「ショーゴ・アサノ」が、好スタートを切った。(北野 将市)

 ▽今夏甲子園の浅野 チームの初戦だった8月11日の佐久長聖(長野)との2回戦は5、7回に2打席連発など3安打4打点で14―4の大勝に貢献。15日の九州国際大付(福岡)との3回戦も2―1で勝利し、18日は準々決勝で近江(滋賀)と対戦。同じくドラフト上位候補で高校日本代表でチームメートになったエース・山田陽翔から、中越え2ランを含む3安打2打点。試合は6―7で敗れて4強進出は逃した。

 ◇浅野 翔吾(あさの・しょうご)2004年(平16)11月24日生まれ、香川県出身の17歳。屋島小3年から野球を始め、屋島中では軟式野球部に所属して3年時に全国大会8強。U15日本代表に選出。高松商では1年夏の県独自大会から出場し、2、3年夏に甲子園出場。50メートル走5秒9、遠投110メートル。1メートル71、86キロ。右投げ、下手投げなど変則投手時には左打席に立つ両打ち。

 【大会規定】
 ▽試合 7イニング制でDH制を採用。ベンチ入りは20人。バットは木製を使用。
 ▽コールドゲーム 5回以降に10点差以上で採用。決勝と3位決定戦では採用しない。
 ▽タイブレーク 7回を終え同点の場合、延長8回以降に無死一、二塁から始めるタイブレークを実施。打順は7回終了時点から引き継ぎ、走者は先頭打者の直前2人を置く。
 ▽球数制限 1試合で50~104球を投げた場合、翌日は登板できない。49球以下なら翌日も登板可能。最多でも105球で、その場合は中4日を空ける。

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