阪神・近本、電光石火の先制劇で侍1番名乗り! 栗山監督「攻める気持ちを見せてくれたのは大きかった」

2022年11月06日 05:00

野球

阪神・近本、電光石火の先制劇で侍1番名乗り! 栗山監督「攻める気持ちを見せてくれたのは大きかった」
WBC日本代表入りを目指す阪神・近本 Photo By スポニチ
 【侍ジャパンシリーズ2022   日本代表5─4日本ハム ( 2022年11月5日    東京D )】 侍ジャパンは、栗山英樹監督(61)の初陣となる強化試合「侍ジャパンシリーズ2022」の日本ハム戦を東京ドームで行い、5―4で逆転勝ちした。「1番・中堅」として侍の切り込み隊長を務めた阪神・近本光司外野手(27)は、初回から安打、二盗と電光石火の躍動で先制劇を演出し、勝利の立役者となった。指揮官が求める、機動力を駆使した“日本の野球”を体現した猛虎のリードオフマン。来春のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)本戦メンバー入りへ確かな存在感を示した。
 打った、走った、そして還った。まさに電光石火。近本が切り込み隊長襲名へ、鮮烈な侍デビューを飾った。まるで野球少年のように栗山ジャパンの初陣を楽しみつつ、思う存分に躍動してみせた。

 「凄く楽しく試合ができたなと。自分がやることは100%に近い形で、できた。そういったところで自分の良さだったり、“日本の野球”…足を絡めて点を取れたっていうのは、よかったんじゃないですかね」

 今季、阪神では6月から3番に定着も、本来は不動のリードオフマンだ。代表で託された本来の居場所で、初回から魅せた。3ボール1ストライクから上沢の直球を右前打。満員の東京ドームを沸かせ、ベンチを鼓舞すると、続く近藤への初球では俊足を駆使した。即座に二盗を敢行。積極姿勢が相手守備の乱れも誘い、捕手の送球がそれる間に一気に三塁まで陥れた。続く近藤の左犠飛で先制の生還。一連のプレーが、流れを引き寄せた。

 「栗山監督に“ガンガンいけ”と言われていたので、しっかりボールも見ながら打ちにいくことを考えていました。(盗塁は)グリーン(ライト)のサインがあったので。(タイミングを)つかんだら、そのまま行っちゃおうかなと」

 1メートル71、71キロの小兵が演出した、小気味よい先制劇。栗山監督からも「思い切りいってくれと言っても、なかなか一発では難しいけど、ああやって攻める気持ちを見せてくれたのは大きかった」と働きを称えられた。今春の阪神キャンプ視察時から「アメリカに勝つ日をイメージした時、たくさん塁に出ないと話にならないし、足を使えないと」と語り、近本の招集を決めた指揮官の前で、その求める“日本の野球”を体現。「走ってほしいというベンチの思いがあった場面で、いかに走れるか。信頼してもらえる選手になっていきたい」と前を向いた。

 定位置が同じ中堅のヤクルト・塩見とはキャッチボールやノックをともにする戦友であり、そしてライバルでもあるが、過剰な意識はしない。「常にライバルと思っています。(それでも)誰と争うかよりは、今できる自分のプレーを100%できるように頑張るだけ」。敵は己にあり――。WBC本戦の代表入りへ、確かな存在感を刻みつけた。(阪井 日向)

 ○…侍ジャパンの1番打者を阪神の選手が務めるのは13年3月18日、第3回WBC準決勝プエルトリコ戦の鳥谷以来。近年は山田(ヤ)が務めており、山田以外の1番は19年11月12日のプレミア12スーパラウンド第2戦、米国戦の丸(巨)以来11試合ぶり。

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