ヤクルト・村上、6年目史上最高額3年18億円更改 球団ポスティング容認で3年後メジャー挑戦確約
2022年12月10日 05:20
野球
「早ければ早いほどいい」と早期挑戦を希望していた。大リーグでは25歳未満の海外選手の獲得に、契約総額の上限が決められている「25歳ルール」がある。村上は25年2月2日に25歳を迎える。3年後の同年オフならルールに抵触せず、ポスティングシステムで大型契約を結ぶことができ、球団にも多額の譲渡金が入る。
日本選手最多56本塁打を放って史上最年少3冠王に輝き、リーグ連覇に貢献した4番に対し、球団は異例の条項も付け加えた。現行の「25歳ルール」やポスティングのルールなどに変更があり、大型契約を結ぶことが可能であれば、2年後の24年オフにもポスティング移籍を容認するという。村上は「球団には感謝しかありません」と頭を下げた。
衣笠剛オーナー代行兼球団社長は「(昨年から)雑談で“メジャーに行きたい”と聞いていた。基本的に球団としては前向きに取り組むと彼に伝えました」と明かした。本格的にポスティングについて話し合ったのは最近で「スワローズの宝でもあるけど、日本の宝。メジャーで活躍する彼の姿を見てみたいと、当然みんな思っているでしょう」と背中を押す意向を示した。
金額でも最大限の評価を受けた。村上は「3年で合計18億」と明かし、来季年俸は6億円でチームの大トリで更改。6年目としては、巨人・菅野の4億5000万円を抜き史上最高額となった。今季年俸から3億8000万円増も、歴代最高昇給額。「ヤクルトに恩返ししたい。チームを勝たせる中心にいたい」と引き締めた。
来年3月のWBCはエンゼルス・大谷、パドレス・ダルビッシュ、カブス・鈴木と大リーガーが続々と出場を表明した。そのドリームチームでも4番を任される可能性の高い22歳は「誇りを胸に日本の野球を世界に見せつけられたら」と約束した。来季の個人成績は「キャリアハイ」と設定。世界一奪還、そして球団初の3連覇を力強く宣言。そのさらに先に待つ夢舞台への扉が、はっきりと輪郭を帯びてきた。(青森 正宣)
▽大リーグの海外選手獲得規定 16年の労使協定合意以降、海外選手獲得に伴う各球団の総契約金が1シーズン最大575万ドル(約7億8200万円)までに規定された。25歳未満か、プロ6年未満の選手に適用され、マイナー契約しか結べない。23歳でエンゼルスに移籍した大谷は当初マイナー契約となり、契約金は231万5000ドル(当時約2億6200万円)。市場価値は2億ドル(同約226億円)以上とされていただけに破格の安さとなった。
《「25歳ルール」のネックは“早生まれ”》現行の「25歳ルール」でネックなのは、村上の誕生日が2月2日の「早生まれ」であることだ。村上と同学年の4~12月生まれの選手は、24年のうちに25歳の誕生日を迎えるのに対し、村上は25年2月。ポスティングシステムの申請手続き期間は今年の場合なら11月1日~12月15日で、交渉期間は45日間となっている。期限ぎりぎりの申請→交渉に臨んだとしても、最終期限は1月28日。5日の差で「年齢の壁」をクリアできない。
主に中南米の若手選手の契約金高騰に歯止めをかけることを意図し、16年の労使協定で合意した「25歳ルール」。年齢が引き下げられなくても、ポスティングの申請時期や交渉期間が変更あるいは延長されれば、村上にとって1年早く海を渡るチャンスが生まれるかもしれない。
《ゴジラ超え23歳で6億円》村上が3億8000万円増の年俸6億円で契約を更改した。プロ野球での年俸6億円到達は昨年の千賀(ソ)、坂本(巨)に続く11人目。入団6年目は19年菅野(巨)の7年目を抜く最速、23歳での到達も02年松井秀喜(巨)の28歳を大幅に更新する年少記録となった。ヤクルトでは山田の5億円(20~23年)を抜く球団最高年俸(外国人を含む)。3億8000万円増は、15年の金子千尋(オ)の3億円増(2億円→5億円)を上回る歴代最高昇給額となった。
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