阪神球団史上初!次期オーナーは「阪急」から 杉山健博氏が来年1月1日付で就任 悲願の優勝へ大なた
2022年12月10日 05:15
野球
今オフには元監督の岡田彰布氏を新監督に招聘(しょうへい)した。オーナーの専権事項とされる監督人事を敢行した藤原オーナーは10月16日、大阪市内のホテルで開かれた岡田監督の就任発表で「優勝に導いていただくために岡田監督の力が必要だと考えて依頼した。経験、知識、大いに期待する。勝つための戦力を整えるのがわれわれフロントの仕事です」と語っていた。手を取り合い共闘を誓っていた。
その藤原氏が年末12月31日をもって退任する。坂井信也氏に代わり18年12月に就任。20年12月からは史上初めて球団社長も兼任した。球団社長は21年12月末で百北幸司氏に譲り、今年から再びオーナー専任となっていた。
藤原氏は岡田監督の任命者として来年から新たに2年程度はオーナー職を続投すると伝わっていた。急転直下と言えるトップ人事は阪急阪神HD会長、グループCEOの角和夫氏の主導とみられる。
注目は後任で、来年1月1日付で阪急阪神HD社長を務める杉山氏のオーナー就任が内定している。杉山氏は東大から1982年、阪急電鉄に入社。2006年、阪急側役員として阪神電鉄との経営統合を担当した。同年発足の持ち株会社、阪急阪神HDの幹部となり角氏を支えてきた。17年阪急電鉄社長、HD社長(現職)と阪急一筋の経歴である。
阪神のオーナーは草創期を除き、親会社・阪神電鉄の社長・会長が務めるのが通例だった。阪急出身者が就くのはむろん初めてだ。
05~06年、通称・村上ファンドによる大量株式取得、買収攻勢を受け、阪神電鉄は阪急との経営統合の道を選び、阪急阪神HDの子会社となった。他球団から「親会社の変更」との指摘を受け、阪神は預かり保証金など計30億円の支払い義務について論議が巻き起こった。阪神―阪急間で「球団経営は阪神に委ねる」との合意文書を交わし、支払いを免れた経緯がある。統合後もオーナーは阪神側が務めてきた。
異例の阪急出身者のオーナー就任について、阪神上層部はセ・パ各球団上層部を訪ねて面会、説明と理解を求めている最中だ。
統合後は各部門で阪急・阪神の一体化が進んでいる。両社間で役員の相互交流があり、杉山氏も16年6月から今年4月まで阪神電鉄取締役を務めた。18年からは新入社員も一括採用となり、両社の壁は低くなっている。
阪急はかつて保有していた球団(ブレーブス)を88年に売却した経緯があり、06年にはNPB・12球団に球団の永続保有に関する誓約書を提出している。
阪神の優勝は前回岡田監督当時の05年。阪急と統合した06年以降は優勝から遠ざかっていることになり、角氏は球団強化による優勝を強く望んでいると伝わる。杉山氏のオーナー就任は優勝という悲願達成に向けて振るった大なただった。
◇杉山 健博(すぎやま・たけひろ)1958年(昭33)11月20日生まれ、兵庫県出身の64歳。82年東大法学部卒業、阪急電鉄入社。05年取締役。06年、阪急側の経営企画担当役員として阪神電鉄との経営統合を担当。同年発足の阪急阪神ホールディングス(HD)取締役。16年HD副社長。17年阪急電鉄社長、HD社長。16年6月~22年4月、阪神電鉄取締役も務めた。趣味はスポーツ観戦、特に甲子園での高校野球。
◇藤原 崇起(ふじわら・たかおき)1952年(昭27)2月23日生まれ、兵庫県出身の70歳。大阪府立大から75年4月に阪神電鉄入社。05年6月に同社取締役となり07年6月に同社常務取締役。11年4月に同社代表取締役社長、球団取締役に。17年4月に同社代表取締役会長(現職)となり同年12月に球団取締役オーナー代行。18年12月に球団取締役会長オーナー。17年6月には阪急阪神ホールディングス株式会社代表取締役となり、20年6月に任期満了で退任。同年12月からは史上初めて球団社長も兼任し、今年から再びオーナー専任。
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