侍・栗山監督 カージナルスのヌートバー外野手選出 日系人選手初 ミドルネームは「タツジ」

2023年01月12日 05:05

野球

侍・栗山監督 カージナルスのヌートバー外野手選出 日系人選手初 ミドルネームは「タツジ」
カージナルスのヌートバー(AP) Photo By AP
 侍ジャパンの栗山英樹監督(61)は11日、オンラインで取材対応し、3月のWBC最終メンバーにカージナルスのラース・ヌートバー外野手(25)を選出したと発表した。日本人の母を持つ日系大リーガーで、日系人選手の日本代表入りは史上初。球団側と出場条件などについて交渉を重ね、栗山監督が直接本人と話して出場が決まった。この日は都内でスタッフ会議も開かれ、最終メンバー30人の絞り込みも行われた。
 日本野球界にとって歴史の第一歩――。栗山監督はヌートバー招集をそう表現した。史上初の日系人選手の侍ジャパン入り。最終的には本人とオンラインで直接話し「喜んで受けます」と出場を快諾されたという。

 「グローバル化していく中で、いろいろなところで野球をやっている人たちが集まって野球をやるのは凄く意味がある。本人にも“歴史の第一歩なんだ”と伝え、凄く喜んでくれていた」

 カ軍側と出場条件など交渉を重ね、了承も得た。栗山監督は「お母さんが日本の方で、家族が喜んでくださったのがうれしい。そういうつながりを持つ中で、日の丸を背負うことの意味は大きいんだなと感じた」とした。

 1メートル90、95キロ。左打ちの大型外野手のミドルネームは「タツジ」。昨季14本塁打の長打力と選球眼の良さが魅力で、返球が最速96・5マイル(約155キロ)を計測した強肩も売りだ。コロナ禍でマイナーリーグが中止となった20年は、時給20ドルで朝4時起きの週6日、航空宇宙企業で戦闘機のメンテナンス作業など肉体労働をした苦労人。性格は明るく、打席では地元ファンから「ヌーーーート!」コールが起こる人気者だ。父は米国人で日本語はほぼ話せない。母・クミさんから「(合流前に)日本語を伝えておきます」と言われたという栗山監督は「僕が英語をしゃべる努力をしていきます」とサポートを宣言。「彼と話したら、もう100%全員が好きになる」とも話し、素早くチームに溶け込めそうだ。

 ヌートバーは中堅も守れ、右翼にカブス・鈴木、左翼にレッドソックス・吉田と、大リーガーで外野を固めることも可能。「バランスのいい選手。日の丸をつけて勢いをつけてくれると信じている」と指揮官。世界一奪回へ、大きなピースがまた一つ埋まった。(秋村 誠人)

 ◇ラース・ヌートバー 1997年9月8日生まれ、カリフォルニア州エルセグンド出身の25歳。高校時代はアメリカンフットボールでQBとしても活躍。南カリフォルニア大から18年ドラフト8巡目(全体243番目)指名を受けカージナルスに入団。21年6月にメジャーデビュー。昨季は主に右翼を守り、108試合で打率・228、14本塁打、40打点。1メートル90、95キロ。右投げ左打ち。

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