西武・愛斗が握りこぶし1個分短くバットを握る理由

2023年04月03日 08:30

野球

西武・愛斗が握りこぶし1個分短くバットを握る理由
西武・愛斗 Photo By スポニチ
 握りこぶし1個分、バットを短く持って打席に立つ。西武の愛斗外野手(25)がレギュラーを確実につかむためのヒントが、そこに隠されているかもしれない。
 プロ野球界では珍しいスタイル。一般的に短くなればなるほど遠心力が低下して飛距離が伸びないと言われるが「短く持ってもホームランは出るし、しっくりきている。長く持って、打率が下がったら意味がないし、長く持ちたいというプライドもない」と言い切る。言葉通り、リーグ3連覇を目指すオリックスとの3月31日の開幕戦に「8番・右翼」で先発出場し、7回に一時勝ち越しの1号ソロ。球団通算9500号のメモリアル弾を刻んだ。開幕3連戦は12打数5安打で打率・417。この結果が答えだ。

 ヒントをくれたのは昨年まで在籍した外野守備走塁コーチで在籍していた日本ハムの佐藤友亮2軍野手育成コーディネーター兼打撃コーチ。昨年は開幕スタメンも20打席連続無安打を味わうなど3、4月の打率は・137。もちろん、スタメンも外された。復調の兆しが見えぬまま悩んでいた4月末。悩みを打ち明けると「短く持って打ってみたらいいじゃない」。頭になかった発想だった。85センチのバットを握りこぶし1個分もあけて構えた。実践した試合から2試合連続マルチ安打を放つなど、5月の月間打率は・317とV字回復。自分の“形”が見つかった。

 終わってみれば自己最多の121試合に出場して打率・243、9本塁打、28打点。持ち味の守備、走塁はもちろん、バットでも存在感を示して、チームに欠かせない男に成長し「序盤の不調がなければ、最終的に打率・280ぐらいは打てるなと。調子が良い時にもうちょっと打てば、3割も見える」と手応えもにじませる。

 確かな感触を持って挑むプロ8年目の今季。「もう圧倒的な結果を残すだけ。ヒット1本打ってもうれしいとか思わない。これが当たり前なんだと」。その顔には、自信がみなぎっている。(記者コラム・福井 亮太)

おすすめテーマ

2023年04月03日のニュース

特集

野球のランキング

【楽天】オススメアイテム