広島 Vマジック点灯秒読み! 延長10回、矢野が高め直球捉え決勝打「狙って打てて良かった」

2024年08月23日 05:00

野球

広島 Vマジック点灯秒読み! 延長10回、矢野が高め直球捉え決勝打「狙って打てて良かった」
<巨・広>延長10回、決勝適時打を放った広島・矢野(撮影・尾崎 有希) Photo By スポニチ
 【セ・リーグ   広島2ー1巨人 ( 2024年8月22日    東京D )】 これが首位の底力だ。広島は22日、巨人に敵地・東京ドームで2―1で逆転勝ち。1点劣勢の9回に小園海斗内野手(24)の中前同点打で追い付くと、延長10回には矢野雅哉内野手(25)の左前適時打で勝ち越した。9回1イニングを零封した5番手の島内颯太郎投手(27)が8勝目。2位・巨人との直接対決3連戦に勝ち越した。ゲーム差を再び2に広げ、最短で24日に優勝マジック「28」が初点灯する。
 痛烈なライナーが左翼線で弾むと、一塁ベースに駆け込んだ矢野は右拳を握ってガッツポーズした。1―1の延長10回2死二、三塁でケラーの154キロ高め直球を捉えた決勝打。見逃せばおそらくボールだったが、狙っていた高めを執念で運んだ。2位・巨人との大事な直接対決で、逆転勝利をもぎ取る一打に表情を緩めた。

 「僕が還すしかなかった。あそこ(高め)にしか投げてこないと思ったので、狙って打てて良かったです」

 打席の中での工夫が生きた。ケラーの力のある直球に振り負けないよう、あらかじめグリップ1個分バットを短く握っていたが、高め直球を2球空振り。「それだと当たらないと分かった」と、さらに指2本分短く握り、ファウルで粘って7球目をはじき返した。「今までだと(握りを)変えたりしなかったけど、経験させてもらっているので」。打撃でも成長著しい堅守の正遊撃手は胸を張った。

 1点を追う9回の同点劇も特筆ものだ。8回まで戸郷の前に散発3安打、二塁さえ踏めずにいた中での反撃。先頭・野間の左前打と犠打で1死二塁とし、小園が直球2球で追い込まれながら、外角低めのフォークを中前へはじき返した。「(フォークの)軌道は頭に入っていたので、拾える感覚は持っていた。前回やられていたし、何とかしたいと思っていました」。起死回生の同点打だ。

 8日の対戦で完封勝利を許した戸郷から土壇場で追い付き、延長10回に突き放す鮮やかな逆転勝利。新井監督は「敵地で好投手相手に追い付き、逆転勝ちできるというのはチームに力が付いてきている証拠。素晴らしい」とナインを称えた。

 1ゲーム差で迎えた首位攻防3連戦に2勝1敗で勝ち越し、2位・巨人とは再び2ゲーム差に広げた。最短で24日に優勝マジック「28」が初点灯する。酷暑の8月に連敗がないのは両リーグで新井カープだけ。6年ぶりのリーグ制覇へ、勢いが加速してきた。
(江尾 卓也)

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