佐々木トレーナー 井岡を強くしたのは18年大みそかの敗戦「貪欲さが増した」
2021年01月01日 05:30
格闘技
何でもできるタイプなので、陣営としては「相手がどう出てきても大丈夫」という自信はありました。一翔の凄いところは相手の良さを消せるところ。スピードやパワーは一般の人にも分かりやすい部分ですが、一翔はポジショニングや駆け引きの“うまさ”を持っています。メンタル面はどんな状況でも感情を表に出さない強さがあります。
一度引退して復帰する時に声を掛けてもらい、普段の練習もそうですけど、ラスベガス合宿で共同生活したり、この2年半は家族以外では一番長く一緒にいるかもしれません。普段も皆さんの前にいる時と全然変わらない裏表のない男です。
ボクシングに関しては細かい部分まで突き詰めていくタイプ。どうやったら強くなれるのかを常に考えている。戦略や戦術的な部分は(井岡のチーフセコンドを務めるトレーナーのイスマエル・)サラスさんや僕が相手の映像を見て分析し、最終的にはミーティングで決めるんですけど、それをリングで実行できる。唯一、やり切れなかったのが18年大みそかのニエテス戦かな。でも、あの敗戦を経験して貪欲さが増しました。この2年半でボクシングの幅は確実に広がったし、結婚し子供が生まれたことも間違いなくプラスになっていると思います。
実は自分も1月に2人目の子供が生まれるんです。良い前祝いになり、一翔には感謝しています。コロナ禍で先が見えづらい状況ですけど、一翔が希望する海外でのビッグマッチを実現させたいですね。復帰した時からの目標ですから。今後も井岡一翔の応援をよろしくお願いします。(Ambitionジムトレーナー)
◆佐々木 修平(ささき・しゅうへい)1985年(昭60)8月13日生まれ、岩手県一関市出身の35歳。水沢農高―東農大。大学卒業後、ワタナベジムでトレーナーとなり、WBA世界スーパーフェザー級王座を11度防衛した内山高志らを担当。10年には優秀なトレーナーに授与されるエディ・タウンゼント賞を「チーム内山」として受賞した。家族は妻と1女。血液型はB。