TKO負けの清水聡、引退示唆「そういう方向になると思う」 王者ラミレスと地力の差大きく…

2023年07月25日 21:02

格闘技

TKO負けの清水聡、引退示唆「そういう方向になると思う」 王者ラミレスと地力の差大きく…
<ラミレス・清水>5回TKO負けの清水(撮影・島崎忠彦) Photo By スポニチ
 WBO世界フェザー級タイトルマッチ12回戦が25日、東京・有明アリーナで行われ、12年ロンドン五輪バンタム級銅メダリストで世界初挑戦の清水聡(37=大橋)は、同級王者ロベイシ・ラミレス(29=キューバ)に5回1分8秒でTKO負けを喫した。相手の多彩な技に守勢に回り、後半勝負の展開に持ち込めなかった。長谷川穂積の日本人男子最年長記録35歳9カ月を上回る37歳4カ月での世界王座奪取はならなかった。
 ガードの隙間から、猛打が突き刺さる。5回、清水は連打を浴び、最後は左アッパーで膝をついた。地力の差は明白。その後も防戦一方となり、あっさりとTKOを告げられた。銅メダリストの清水と、12年ロンドン、16年リオの五輪2大会連続金メダリストのラミレス。「結果を出して恩返しがしたかった。こういった結果になってしまって残念」。五輪メダリスト対決は、メダルの色通りの結末だった。

 長身の清水とラミレスは身長15センチ差、リーチで8センチ差もあった。間合いを取ろうとする清水をあざ笑うかのように、王者は素早く詰め寄り、多彩な技で風穴をこじ開けていく。4回終盤にはロープ際に追いやられ、強打を浴びた。「体力面やパワーは自分が上、体力に自信があった。なかなか足が動かなくて、ペースを握られた」。描いた後半勝負の青写真は、もろくも崩れ去った。

 この試合のために集結した「チーム・ロンドン」の後押しも届かなかった。清水と同五輪に出場したフライ級の須佐勝明氏、ウエルター級の鈴木康弘氏を特別コーチとして招へい。2人から技術や戦術、フィジカルに至るまでチェックを受けた。特に同五輪初戦でラミレスと対戦した須佐氏からの知見も生かしながらの調整。それでも、世界王座には届かなかった。

 37歳。数年前から「思うようなボクシングができなくなった」と言うように、年齢にあらがう壮絶な戦いもあった。これがラストマッチになる可能性について問われると「そういう方向になると思う」と引退も示唆。ロンドン五輪で日本勢44年ぶりのメダルを獲得した男の再挑戦が、終わった。(大和 弘明)

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