“尚弥の幼なじみ”元Jリーガー山口聖矢 1RTKOデビュー!第二の人生最高のスタート「興奮した」

2023年08月31日 04:30

格闘技

“尚弥の幼なじみ”元Jリーガー山口聖矢 1RTKOデビュー!第二の人生最高のスタート「興奮した」
山口聖矢(右)は加藤蓮を1RでTKOする(撮影・西川祐介) Photo By スポニチ
 【ライト級4回戦    ○山口聖矢《1回2分43秒TKO》加藤蓮 ( 2023年8月30日    後楽園ホール )】 WBC&WBO世界スーパーバンタム級王者の井上尚弥(30=大橋)の幼なじみで、元サッカーJ3相模原DFの山口聖矢(29=同)がボクシングデビュー戦で1回2分43秒のTKO勝利を飾った。右拳を痛めながらも右ストレートで試合を終わらせ、第二の競技人生で最高のスタートを切った。
 これまでの競技人生で味わったことのない高揚感が一気に体を包んだ。衝撃のKOデビューを飾り、勝利を告げられた山口は照れくさそうに何度も声援に応えた。

 「興奮しましたね。やっぱり勝った人だけが味わえる感情。サッカー時代とは違う興奮がありました」と笑顔がはじけた。

 幼稚園年少で出会った尚弥がリングサイドから見守る中、開始30秒で左ジャブを相手の顔に突き刺した。1回終了間際「打ち抜いたというより“抜けた”感覚。コンパクトに打てました」とカウンター気味の右ストレートを突き刺して、前のめりに倒れた相手を見てレフェリーはカウントせずに試合を止めた。

 18年にJ3相模原を退団後、実家の自動車整備会社で働いていたが、昨年1月に尚弥に転向を勧められてボクシングの練習をスタートしたばかり。試合前には極度の緊張に襲われた。尚弥には「デビュー戦は緊張するから落ち着くことが一番」と声をかけられ、何度も深呼吸をしてからリングイン。応援に駆けつけた、尚弥の父・真吾トレーナーや弟・拓真の指示を聞きながら冷静に戦った。

 試合後には先月下旬に右拳を痛めていたことを告白。スパーリングを左手だけで行っていたことも明かし「脇を締めて斜めに打て」と尚弥直伝の左ジャブを軸に何度も相手の顔をはね上げた。

 来月2日には30歳を迎えるが「やるからには負けたくない。井上家と一緒に練習させてもらってる以上、結果は追求していきたい」と来年の新人王優勝を目指す。華麗なる転身を遂げた元Jリーガーがボクシング界に新風を吹き込んだ。

 ◇山口 聖矢(やまぐち・せいや)1993年(平5)9月2日生まれ、神奈川県座間市出身の29歳。サッカーではDFで、山梨学院高、関東学院大を経て16年に北信越リーグ1部のサウルコス福井に入団。17年からJ3相模原に入団し2年間プレー(出場1試合)。昨年11月にC級(4回戦)プロテストを受検して合格した。身長1メートル73。血液型A。

 《主な転身ボクサー》
 ☆木村淳(陸上) 18年アジア大会日本代表。20年に引退し昨年11月にプロテストに合格。7月の西日本新人王スーパーフェザー級準決勝でデビューし4回TKO負け。
 ☆リオ・ファーディナンド(サッカー) 元イングランド代表DFでマンチェスターUで12年間プレーし15年に引退。17年に38歳で転身を表明も、英国ボクシング協会がプロライセンス申請を認めず。
 ☆藤岡奈穂子(ソフトボール) 古川女子高(現古川黎明)時代に遊撃手として全国高校総体に出場。卒業後は宮城県の実業団トーテックに所属し、99年に転向。09年にプロデビュー。日本人選手唯一の5階級制覇王者で5月に引退を表明した。

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