那須川天心 KOお預けも2度ダウン奪って完勝!転向2戦目で進化の“倒すパンチ”上々

2023年09月19日 04:30

格闘技

那須川天心 KOお預けも2度ダウン奪って完勝!転向2戦目で進化の“倒すパンチ”上々
4回に左フックを打ち込む那須川天心(右) Photo By スポニチ
 【プロボクシング「Prime Video Presents Live Boxing5」スーパーバンタム級8回戦 ( 2023年9月18日    東京・有明アリーナ )】 4月のデビュー戦で白星を飾った“キックの神童”那須川天心(25=帝拳)がボクシング転向2戦目でメキシコ・バンタム級王者のルイス・グスマン(27)を3―0の判定で下し2勝目を飾った。B級(6回戦)デビューながら特例で8回戦が認められた2戦目でフルマーク判定勝ち。4回には左拳を痛めたことを明かしKOこそ逃したが、2度のダウンを演出するなど確かな成長を見せた。
 「今回は倒しにいく」と、並々ならぬ覚悟で臨んだボクシング2戦目。有言実行とはならなかったが、那須川が周囲を納得させる完勝劇を見せた。「成長した姿は見せられたと思う。皆さんどうでしたか!?」。詰めかけた1万1000人に逆質問し、納得の表情を浮かべた。

 1回にいきなり観客の度肝を抜いた。開始約1分でいきなりカウンターの左ストレートでダウンを演出。7回にも左フックでこの日2度目のダウン。当初の対戦相手がコロナに感染。約2週間前に相手が変更となった影響を最後まで感じさせなかった。

 試合後には4回に左拳を痛めたことを明かした。その影響もありKOこそ逃したが、最終8回まで重いパンチを浴びせ続けた。「最後の最後がうまくいかないというか…人生うまくいかないもんですね」と自虐気味に話し、会場を笑わせた。

 4月のデビュー戦は判定勝ちも課題が残った。以降の5カ月間は「冬眠」と表現し、KOできなかった前戦の反省から、倒すパンチの習得に取り組んできた。チームで原因を分析し、「絞るように拳を返す」パンチへの修正を試みた。さらには日常生活から爪先重心にすることでパンチに体重が乗るように意識。8月中旬に行った約2週間の米ラスベガス合宿では初のダウンも奪うなど成果は確実に形となって表れた。

 「ボクシングへの本気を見せられたと思う。まだまだ強くなって、日本中をかませるような男になるんで期待してください」と強気に話した那須川。真価が問われた2戦目で自ら進化を証明してみせた。

《次戦は年明けに》帝拳ジムの本田会長は「3回くらいで終われば最高だったが、ボクシングはそんなに甘くない」と振り返った。来年1月か2月に行う可能性のある那須川の次戦について「課題をクリアしていくための相手と経験を積んでいくことになる」と明かし、今後の世界戦についても「10戦目までやることはない」と断言した。一方で「(会長を)60年やってあれだけの選手を見たことがない」と改めて高評価。「だからこそ大事に育てていく」と育成方針を語った。

 ◇那須川 天心(なすかわ・てんしん)1998年(平10)8月18日生まれ、千葉県松戸市出身の25歳。5歳で極真空手を始め、小6で転向したキックボクシングではRISEでバンタム、フェザー級の2階級制覇など42戦全勝(28KO)。18年大みそかのエキシビションで元5階級制覇王者フロイド・メイウェザー(米国)に1回TKO負け。22年6月の「THE MATCH」(東京ドーム)で元K―1王者の武尊に判定勝ちした。身長、リーチともに1メートル65のサウスポー。

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