重岡銀次朗 因縁バラダレスとの再戦は5回TKOで王座統一「お兄ちゃんと頑張ってきた」兄・優大にバトン
2023年10月07日 18:15
格闘技
リング上では「正規チャンピオンのベルトのために、15年間、お兄ちゃんと2人で頑張ってきました。きょう、このベルトを獲って、本当のチャンピオンになれたので、もっともっとチャンピオンの自覚を持って、日本ボクシング界を盛り上げるために頑張りたいと思います。ボクシングは最高です。本当に夢があります」と話し、拍手を浴びた。
悪夢の世界初挑戦から約9カ月。ついに銀次朗が完全決着をつけた。今年1月に対戦した両者だが、3回に偶然のバッティングによりバラダレスが試合続行不可能をアピールし無効試合となっていた。「やっとあの日の続きができる。決着をつけられる時がきた」。強い決意で臨んだ一戦で弟の銀次朗が鬱憤(うっぷん)を晴らすような快勝を見せた。
キャリア初の延期に一度は心も折れかけた。8月にはバラダレスとの統一戦が行われる予定だったが、今度は銀次朗の左足の負傷により10月に延期された。1月の無効試合直後は「周りの支えもあってすぐに気持ちを切り替えられた」と話す銀次朗だが、「自分のせいで、周りに与える影響を考えると精神的に今回の方がきつかった。今までにないくらい焦りがあった」ことを明かした。
長年の疲労の蓄積で左足は骨膜炎と診断された。「どうしようもない痛みで10月に試合ができるかも不安だった」と3軒の病院を回り、エックス線検査やMRI検査まで行った。8月は一度も走り込みは行えず「競技人生初めて」の経験をした。それでも可能な限りジムに顔を出し、ステップを踏まない打ち合いや、下半身に負担をかけない練習で上半身を強化。5日の予備検診では約半年前と比べて胸囲は約2・5センチも成長するなど、地道な努力は結果に表れていた。
有言実行の正規王座奪取を成し遂げた銀次朗。目標とする兄弟2人で4団体統一へ確かな実力を証明した。