棚橋弘至 新日本プロレス二刀流1勝 戦う社長が22年以来のシングルベルト
2024年01月05日 04:50
格闘技
新社長に求められた「タスク」は早期決着だった。タイトルマッチとしては異例の15分短時間決戦。序盤から棚橋がギアをトップに上げてザックに波状攻撃をかけた。5分をまたずに必殺「ハイフライフロー」の2連発。「テキサスクローバーホールド」も繰り出した。昨年1年間で16度の防衛戦を行い死守してきたザックは得意の関節技で対抗し、決定機を与えない。8分が経過し両者がエビ固めの応酬に入る。一瞬の隙で棚橋が3カウント。スムーズな業務遂行で絶対王者を引きずり降ろした。
プロレス人気回復のため、常に最前線で東奔西走した男は昨年12月23日に新社長に就任した。レスラー兼任は19年ぶり。背負うものは大きいが、目指すは世界へビー級戴冠、G1クライマックス優勝と野望は尽きない。「大谷選手の二刀流、トレンドのワードにありますけど、社長とレスラー、これも棚橋流の二刀流。いろんなところで無理が生じるかもしれないけど、大丈夫、棚橋は疲れないから」。事務所の壁には「疲れない」を社訓に加えるという。100年に一人の逸材と言われた男。彼の辞書に不可能はない。